Intelは、5月10日~5月11日(現地時間、日本時間5月10日~5月12日)に同社のプライベートイベントとなる「Intel Vision」(インテル・ビジョン)をアメリカ合衆国テキサス州ダラスフォートワース空港近くの「Marriott Gaylord Texan & Convention Center」で開催した。
この中でIntelは、同社が自社ブランドで販売しているNUC(Next Unit of Computing)を、エッジサーバー「Intel NUC Enterprise Edge Compute」として販売する計画であることを明らかにした。同社のパートナーとなるScale Computingが販売する予定で、NUC 3台を1つに格納して持ち運び可能にするポータブルなエッジサーバーとしても提供される。
エンタープライズグレードにしたNUC EECをエッジサーバー向けに販売
IntelのNUCは、同社の自社ブランドで提供していたマザーボードビジネスが収束した後も、Intelブランドで販売されている小型のPCないしはPC自作キット。OSまで組み込んだ完成状態ないしはメモリやストレージなどが添付されていない自作キットとして販売されている。
Intel NEX(Network and Edge)事業本部 CTO サチン・カッティ氏は講演の中で、そのNUCをエッジサーバー「Intel NUC Enterprise Edge Compute」(以下NUC EEC)として販売する計画を明らかにした。販売は同社のパートナーであるScale Computingが行なう。
現在市場ではエッジサーバーと呼ばれる、エッジ側、つまりは現場やユーザーに近いところに置かれるサーバーの需要が高まっている。具体的にどんなところに使われるかというと、たとえばデジタルサイネージが分かりやすい例と言える。電車の中のディスプレイ、駅にあるディスプレイに広告の動画が流されているとか、行き先表示として使われているという例は、今やそこかしこで見られるようになっている。
そのディスプレイに流す動画を再生したり、行き先表示を行なう役割を果たしているのがエッジサーバーで、実はその裏の見えないところに小型のPCが隠されているというのが一般的だ。OSには組み込み版のWindowsが使われることが多いため、何らかの拍子にブルースクリーンになってしまい、それがSNSなどにネタとして投稿されるというのもすでに日常茶飯事だろう。
そうしたエッジサーバーのニーズは社会のデジタル化にともなって増え続けており、PCメーカーも専門の事業部を立ち上げて製品を投入し、販売活動などを行なっている。
今回Intelが発表したNUC EECもその延長線上にある製品で、Intelが一般消費者向けに販売しているNUCをベースにして、Scale Computingが仮想化用のソフトウェアを導入するなどして販売する。また、NUC EEC単体だけでなく、3台を1つのキットにして簡単に持ち運べるようにしたポータブルなエッジサーバーとしても提供していく計画だ。
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