Intelは、5月10日~5月11日(現地時間、日本時間5月10日23時~5月12日)に同社のプライベートイベントとなる「Intel Vision」(インテル・ビジョン)をアメリカ合衆国テキサス州ダラスフォートワース空港近くの「Marriott Gaylord Texan & Convention Center」で開催している。
IntelはVisionの基調講演に合わせて新しいノートPC向けのプロセッサとなる「第12世代Intel Core HXプロセッサ」(以下Core HX)を発表し、今年OEMメーカーから搭載製品が順次発表されていくと説明した。会場では早速Dell TechnologiesとMSIのCore HX搭載ノートPCが展示され、実際に16コア/24スレッドのCPUがノートPCで動作する様子などを確認することができた。
発表されたばかりの第12世代Core HXを搭載したシステムがデモされる
IntelはVisionの会場で、Visionにおいて新しい第12世代CoreとなるCore HXを搭載したシステムを展示し、実際に動作する様子を公開した。
会場では、MSIのモバイルワークステーションPCの裏蓋が外されている状態で展示されており、CPU、GPUとは別にPCHが別チップで搭載されていることなどを確認することができた。第12世代Core Hは最大搭載メモリは64GBとなっているが、展示機の詳細を説明している担当者によれば、このMSIのシステムでは32GBのSO-DIMMを4つ搭載することで、合計128GBの構成にすることが可能とのこと。
モバイルワークステーションで使うのに最大メモリが64GBでは十分ではないと考えているユーザーにとって、Core HXは有望な選択肢になりそうだ(ただし分解されていたのは16GB×4と64GBのモデルだった)。
Dellは「Precision 7770」と「Precision 7760」という第12世代Core H(TDP 45W)を搭載して販売開始しているモバイルワークステーションの第12世代Core HX版を展示。今後BTOオプションにCore HXを搭載したモデルが追加される予定で、NVIDIAのGPU(NVIDIA RTXシリーズ)と組み合わせて、強力なモバイルワークステーションPCを構成することが可能になる。
Dellによれば、このPrecision 7770とPrecision 7760には、SO-DIMMはなく、IntelとDellが共同で策定したCAMM(Compression Attached Memory Module、カムと発音する)と呼ばれる独自形状のメモリモジュールが採用されており、それにより16GB、32GB、64GB、128GBの容量を実現することができるという。CAMMはSO-DIMMに比べて薄く作ることが可能だという。コストに関しても量産化が進めばほぼ同じになる見通しだ。
現時点でCAMMはIntelとDellのプロプライエタリの規格になっているが、近い将来にはJEDECに規格として提案する計画で、そうなればDell以外のPCメーカーも使えるようになる見通し。
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