生命に不可欠なDNAとRNAを構成する物質が、隕石から発見される

GIZMODO

やっぱり「居た」のか…!?

地球誕生から約46億年。生命が発生するために必要な成分は宇宙から飛来した隕石ではないかと考えられてきましたが、検出技術の進歩によりこの説がより一層強まったかもしれません。なぜなら、今まで見つからなかった塩基が見つかったから

アミノ酸生成に欠かせない成分が発見された

生命に欠かせない要素といえば、遺伝子。DNAとかRNAってやつですね。これらはリン酸、五炭糖、塩基からなり、このうちどんなタンパク質を生成するかを指定するのが塩基で、RNAの塩基はA(アデニン)、C(シトシン)、G(グアニン)、U(ウラシル)の4種類から形成されます。DNAの塩基はUをT(チミン)に置き換えます。

これまでの研究では、隕石からA、G、Uの存在が確認されていました。CとTに関しては未発見だったんです。ところが検出技術の進歩により、北海道大などの研究チームはこれまで未発見だったCとTを発見。隕石からすべての塩基が見つかったということは、生命的なサムシングが隕石にいた証拠になるのではないか、というワケ。

NASAのゴダード宇宙飛行センターの天体化学者であるダニエル・グラビン氏は、発見された塩基が単一の隕石から分離されていることを確認しました。氏は地球上の様々な場所で収集された4つの隕石に対して同一の検出方法を用いましたが、4つとも有機化合物の痕跡を示したそう。

地球に来てから付着した説もあり得る

今回の発見は生命の謎を紐解く重要な発見ですが、地球上で採取された隕石が地球環境によって汚染されていた可能性は完全には否定できません。より正しい結果を得るには、大気圏外で取得されたサンプルを研究する必要があります。小惑星「イトカワ」や「リュウグウ」のサンプルリターンなど、それらに対する研究はまさに今進んでいるところですよね。

2023年9月には、NASAが小惑星ベンヌからのサンプルを持ち帰ってくる予定です。もし非汚染な隕石から有機化合物の兆候が見つかれば、地球の生命誕生の触媒に宇宙のいたずらが関わっていたことを決定づけるはず。僕たちの体内にも、宇宙のエッセンスが潜んでいるかも。

Source: Slash Gear