2022年5月に韓国で政権を発足させる尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領が日本に「政策協議代表団」を派遣したことをめぐり、北朝鮮が対外宣伝サイトを通じて激しく非難している。
尹氏は文在寅政権で悪化した日韓関係の立て直しを図るが、これを「サムライたちに再侵入の道を開こうとする天下の逆賊行為」「朝鮮民族の血が流れているのか問わざるを得ない」といった言葉で罵倒している。日韓関係が改善し、ミサイル発射を繰り返す北朝鮮への対応が強化されることを懸念していることが背景にあるとみられる。
李明博、朴槿恵両政権を上回る「特等親日売国奴集団」
代表団は2022年4月26日に岸田文雄首相と面会し、尹氏の親書を手渡した。首相との面会が早期に実現したことで、次期政権としては、5月9日に予定されている大統領就任式の岸田氏出席に向けた期待感が高まりそうだ。
日韓関係の改善を警戒するのが北朝鮮だ。対外宣伝サイト「黎明」は4月24日付けの記事で、代表団メンバーに外務省北東アジア局長を務めた李相徳(イ・サンドク)氏が含まれていることについて、李氏が「2015年の屈辱的な『韓日慰安婦合意』を主導した実務責任者」だったとして問題視。記事では、尹氏が代表団メンバーについて「未来志向的な韓日関係を確立するための最高の専門家たちで構成された」などと韓国国内向けに説明したとして、
「これこそ、前世紀にわが民族に計り知れない不幸と苦しみを与えた千年の宿敵である日本の過去の犯罪を白紙にし、サムライたちに再侵入の道を開こうとする天下の逆賊行為に間違いない」
などと批判。その上で、尹氏の次期政権について、これまで北朝鮮が「逆徒」として罵倒してきた李明博、朴槿恵両政権を上回る「特等親日売国奴集団」だと主張した。