ジャンボ。日本には「安かろう悪かろう」という言葉があるとゴー(羽鳥)から聞いた。それはポテトの世界も同じであるとオレは思う。事実、高いポテトは例外なく美味く、かつ安全だった。ところが……!
オレがこの連載で求めているのはケニア最強のポテト。安くて美味くて、かつ安全。それを追い求めているからスラムにも攻めたりするのだが、今回はスラムではなく、その辺の道沿いにあるポテト屋に行ってみた。
その店の中はゴミだらけだった。スラムでもないのにひどく汚れており、ポテトが入ったショーケースは電気がOFFになったまままだった。きっとポテトは冷えている。そんなのやだ。だからオレは女将(おかみ)に言った。
「なあ、ポテト、冷えてるから揚げなおしてくれない?」
すると女将はこう言った。
「いま電気が来てないんだよ」
「えっ」
「いま電気が来てないの」
「……」
「大丈夫、食べられるから。あのお客さんたちも食べているでしょ」
「食べるの? 食べないの?」
あまりの迫力に、オレは注文せざるを得なかった。そして、そのポテトはとても冷たくて美味くなかった……というか味がしなかったので、コショーをたっぷりかけて食べきった。残したらまた怒られる気がしたからだ。
そして食べ終えてから3時間後、私の腹はガス(屁)でパンパンになり、さらに「グーム、グーム(gooom,gooom)」と鳴っていた。
ちなみにポテトの価格は100ksh(約100円)だった。いつも50kshの安ポテトで腹を壊しているけれど、まさか2倍の価格のポテトでも腹を壊すとは思わなかった。
この世には、「高い、まずい、危険」もある。「安かろう悪かろう」ではなく「高かろう、悪かろう」もあるんだと。皆も気をつけて。クワヘリ。
執筆:チャオス(カンバ族)
超訳:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.