宮崎県で「グロリオサ」という植物の球根を食べたとみられる男性が死亡したことが、2022年4月14日に報じられた。報道によると、延岡市に住む60代の男性が亡くなったという。
過去にも死亡事故が発生しているグロリオサは、球根がヤマイモに似ていることから行政のサイトなどで注意が呼びかけられている。
デコボコで粘り気があるヤマイモ、滑らかでネバネバしないグロリオサ
「キツネユリ」の別名がある植物のグロリオサは、赤い花を咲かせる観賞用植物として栽培されている。熱帯アジア・アフリカ原産で日本の山野に自生していることは稀で、生花用や家庭での観賞用などで栽培される。国内生産量1位は高知県で、全国シェアの約70%を占める。
ところが、コルヒチンという毒を持っていて、球根はヤマイモに酷似している。誤って食べてしまうと食中毒を引き起こし、発熱・嘔吐・下痢などの症状が発生し最悪の場合は死亡する。
J-CASTニュースは15日、2003年と2006年にグロリオサの食中毒が発生している高知市生活食品課に見分けるポイントを聞いた。
同課によると、球根の外見はヤマイモの方がデコボコがあり、ヒゲがあるがグロリオサはヒゲがなく表面も滑らかで、表皮がボロボロと剥がれやすい。
ヤマイモの中身は粘り気があって糸を引き、すりおろすと粘っこいが、グロリオサには粘り気はないという。
外見が似ているヤマイモとグロリオサはこのようにして識別できるが、グロリオサの近くにヤマイモが自生していると、地下のグロリオサの球根をヤマイモと誤認して食べてしまうケースがあると高知市生活食品課は話す。「家庭で栽培しているグロリオサの近くのヤマイモを食べようとして、グロリオサの球根を掘って食べてしまう事故が多いです」と答えた。