ストリーミング 時代における自社コンテンツ管理のあり方とは:A+Eネットワークス マーク・ガーナー氏

DIGIDAY

マーク・ガーナー氏の仕事は、10年前ならずっとシンプルだっただろう。A+Eネットワークス(A+E Networks)のグローバルコンテンツセールスおよび事業開発担当シニアバイスプレジデントとして、同氏は同社のオジリナル番組の配信契約を統括している。

「私の仕事は、ライブラリーにあるすべてのコンテンツと、現在制作中のすべての新作コンテンツを、多岐にわたるパートナーに、将来の配信を見越して販売することだ」と、ガーナー氏は米DIGIDAYのポッドキャストの最新エピソードで語った。

「多岐にわたる」という言葉では、配信先の複雑さを表現しきれない。かつては配信といっても、ほとんどがストアフロントを通じての番組販売を意味し、ブロックバスター(Blockbuster)の実店舗や、AppleのiTunesのようなデジタルプラットフォームが相手だった。

しかし、いまやこうした契約の主要パートナーは、Netflix、Discovery+、ロクチャンネル(The Roku Channel)、クラックル(Crackle)などの多種多様なストリーミングサービスだ。加えて、A+Eネットワークス自体もストリーミングサービスを運営しており、広告収入に支えられた無料のストリーミングチャンネルを24時間放送している。

こうした契約を結ぶのは、ただ最高額入札者に販売するという単純なものではない。時には短期契約が、長期的な成功を損なうこともある。「直近のライセンス収入に魅力があるのは確かだが、そこではコンテンツの長期的価値、LTVの機会コストが考慮されない可能性もある」と、ガーナー氏はいう。

もしもA+Eネットワークスが、パラマウント(Paramount)のParamount+のような独自のストリーミングサービスを立ち上げようとすれば、損得勘定はさらに複雑になるだろう。

「現段階では、我々はエコシステムにおける自身の立ち位置、つまり自社コンテンツをさまざまなプラットフォームに配信できるポジションにとても満足している」と、ガーナー氏は述べた。

ポッドキャストエピソードのハイライトを以下に紹介する。分量とわかりやすさを考慮して一部編集を加えている。

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将来性のある番組を見つけ出す

我々の番組の中には、なんらかの方法で維持することで、将来的により大きな価値をもたらすと期待できるものがある。時とともに価値が高まる作品がどれかを予測するのはとても難しい。だが、従来のネットワークで初回放送した直後の数日の反応と、長期的価値には関連性がある。

デジタル配信ベースの重要性

ヒストリーチャンネルで配信した『キング・オブ・ペイン-最強の痛み決定戦!』という番組がある。2人の主人公が世界各地を旅し、痛みの限界に挑戦するという、とても面白い番組だ。しかし正直なところ、ヒストリーチャンネルでのパフォーマンスは期待したほどではなかった。

ところが、いくつかのデジタルプラットフォームではとてもよい反応が得られ、おかげでセカンドシーズンを制作できた。この番組を続けられたのは、デジタルプラットフォームがあってこそだ。

テレビ番組のLTVを高める

これは量的であると同時に、とても質的な問題でもある。どこで配信するのがもっとも成功につながるかを判断するには、視聴者構成、心理的影響、環境要因を入念に検討する必要がある。

今まさにおこなっている、こうした分析の長所は、以前はテレビネットワークだけで数年で寿命を迎えていたコンテンツが、やり方によっては何年も長く成果をあげられるとわかったことだ。

配信契約の期間の短縮

配信契約の期間は短くなっている。我々のほとんどは、できるだけ長くしたいと強く思っているのだが、状況は反対に進んでいて、契約サイクルがより頻繁に繰り返されるようになってきている。

[原文:How A+E Networks’ Mark Garner is managing the TV network group’s programming library in the streaming era

TIM PETERSON(翻訳:的場知之/ガリレオ、編集:黒田千聖)

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