メモ
人生においては「生きがい」が重要だと言われることがよくありますが、「一体なにが自分にとっての生きがいなのかわからない」と思っている人も多いはず。そこで、リーダーシップと職場環境の専門家であるレイチェル・クック氏が、「生きがいを見つけるために重要な4つの要素」について解説しています。
How to Discover Your Ikigai, a.k.a. Your Life’s Purpose
https://www.quickanddirtytips.com/business-career/careers/ikigai-purpose
近年のアメリカでは、大量の労働者が退職してしまう「Great Resignation(大量離職)」と呼ばれる現象が注目を集めており、日本にも大量離職の波が押し寄せる可能性も指摘されています。クック氏はそんな状況について、パンデミックが人々に生活やマインドの変化をもたらし、人生と自分自身について考えるようになったのではないかと主張。そこで、人生を歩む上で重要になる「生きがい」を構成する「4つの要素」を挙げ、自分自身を例として各要素について解説を加えています。
◆1:自分が愛しているもの
クック氏は大学院を卒業した後、管理ローテーションプログラムを提供する会社に入社したそうですが、当時は「自分が何をしたいのかわかりませんでした」と述べています。その会社に5年間勤めた時点で、クック氏は部門全体の実務や人事、予算などの責任者を務めるほどに成功していたそうですが、特に予算や運営を任されることに喜びを感じませんでした。
一方、クック氏が喜びを感じたのは「人に関わること」だったそうで、自分は人と関わることでエネルギーが湧いてくるタイプだと気付いたとのこと。「私は人と出会い、つながりを作り、新鮮なアイデアを聞くことが好きでした。私は話し手であり、聞き手であり、誰かと一緒にコーヒーを飲む人であり、人を観察する者であり、これらのことをすると本当に幸せになれたのです」とクック氏は述べ、人材開発やメンターといったその後のキャリアを方向付ける発見だったと主張しています。
◆2:自分が得意なもの
自分が愛しているものを生きがいとするべきではあるものの、仕事に結びついた生きがいを探している場合、自分がその分野を得意としているかどうかも重要な要素です。クック氏は「人々と関わることへの愛を認識することは有用でした。しかし、私は実際にこの分野の才能を持っていましたか?」と述べ、好きが必ずしも得意と結びつかないと指摘しています。クック氏はこの点について考えた結果、幸いにも「適切な人材を雇い、従業員を訓練し、コーチングし、働き方を改善する方法についてのアイデアに耳を傾ける」といったことは得意であると自覚できたとのこと。
クック氏は、「今度はあなたの番です。周りを見回してください。あなたは何に時間を費やすのが好きですか?あなたがそれを行った場合、私が焼いたブラウニーよりも味がいいですか?喜びとスキルの交差点を探してください。あなたの情熱を探してください」と述べました。
◆3:世界が必要としているもの
生きがいをさらに高めるためには、自分の愛するものやスキルの合致する点を見つけ出すことに加え、「世界が必要としているもの」と自分の生きがいが重なる点を探すことも重要です。クック氏の場合、愛するものと得意なものの交差点を見つけて人事職へと転向しましたが、そのうちに自分のスキルをもっと表に出したいと願うようになり、「Lead Above Noise」という自分のビジネスを立ち上げました。有意義な従業員体験の構築、ビジネス効果の向上、仕事における喜びや意義の促進といった分野は、まさにクック氏の愛するもの、得意なもの、そして世界が必要とするものが合致する点だったとのこと。
また、クック氏は必ずしも「世界が必要としているもの」が高尚な目的だったり、世界を救うものだったりする必要はないと指摘。「あなたの使命は世界の飢餓を解決する必要はありません。しかし、あなたが世界に価値を与えると信じるものを提供することは、あなたの目的や生きがいを実現する素晴らしい方法なのです」と述べました。
◆4:生計が成り立つもの
最後にクック氏が挙げているのは、「それが商業的な実行可能性を満たしているかどうか」であり、以上の4つを満たす「生きがい」こそが職業につながると主張しています。世の中には「革新的ではあったし、本人たちも情熱を注いでいたものの、結局は失敗に終わってしまったプロジェクト」がたくさんありますが、これらのいくつかは商業的な需要を満たしていなかったことが原因です。
クック氏の場合、実際にビジネスを立ちあげる前に幅広い組織や業界のビジネスリーダーと話して、本当に自分が提供するものに商業的価値が生まれるかどうかを見極めたとのこと。こうした下調べの結果、クック氏は自分のサービスには市場の需要があるという自信を持ってビジネスを始めることができたと述べています。
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