大晦日の格闘技はご覧になりましたでしょうか? 僕はプライドを見つつ、K1をビデオに録画して、プライドが終わったらすぐにビデオでK1を見ました。
何が言いたいかと言いますと、それくらい格闘技に夢中って事です。あまりにも夢中になるあまり、去年からボクシングジムに通いつめています。そろそろ3ヵ月以上経つので、もしかしたら腕っぷしが上がってるんじゃないか、そんな風に思える今日この頃、ここは1つ瓦割りに挑戦してみようじゃありませんか。
骨折上等! カモン瓦!!
男祭りの始まりです。
※2005年1月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。
まずは瓦を調達しよう
タウンページで瓦を取り扱っているお店を探すと、「かわら」というカテゴリーがあって30件ほどの瓦屋さんが載っていた。片っ端から電話をかけるが、お正月時期なので休んでいるお店ばかり。そんな中、唯一営業しているお店が見つかった。品川区の森瓦店さんだ。
戸越銀座の駅から徒歩5分ほどでタウンページに載っていた住所に到着したが、「森瓦店」という看板が出ていない。辺りをもう一度見渡すと、ガレージの隅に瓦を積んである家があり、表札には「森」とあった。ここだ。
チャイムを鳴らすと中からおじさんが出て来た。
「瓦を譲って欲しいんですが……」
「どこから漏れるの?」
「えっ?」
「屋根のどこら辺?」
そうか、屋根の修理用に瓦を探してると思ってるんだ。まあ、そりゃそうか。
いや、実は試し割りをしたいので、割れやすいやつを……
と言える雰囲気ではない。見た目で一番薄そうな瓦を指差して、あれを下さいと頼む。
「これ? これは、のし瓦だよ。いいの?」
いいも悪いも分らない。
「てっぺんの方から漏ってるんだったら、これでいいけど」
「え、ええ、そうです。てっぺんの方から」
「じゃあ、これだ」
「ちなみに、それは割れやすいですか?」
「いやいや、大丈夫。丈夫に出来てるから」
僕的には大丈夫ではないが、仕方ない。10枚買うことにした。
ちなみに1枚500円、結構高い。しかも、これから僕の拳で割ってしまう訳だからもったいない話だけれど、お正月ですし、ここは1つ景気良くいっちゃいましょう!
ちょっと石膏で試してみよう
都内墓所で瓦の試し割りに挑戦する。
と、その前に瓦がどれくらい固いのか知りたい。
小さく握りこぶしを作り、コツンコツンと瓦を軽く叩いてみる。
固い。
ドアをノックするくらいの感じで叩いてみたのに、ちょっと痛い。瓦屋のおじさんが言った通りだ。随分丈夫に出来ている。
いきなり自分の拳で挑戦するのが少し恐くなって来たので、まずは石膏モデルで試し割りをしてみる事にした。
「棒を持つ男の手」という力強い右腕をモチーフにした石膏モデル。中まで石膏が詰っているタイプなので、かなり重厚な造りになっている。もしかしたら10枚全部割れちゃうかもしれない。そうしたら僕が割る分がなくなってしまう。
とりあえず5枚で試す事にしよう。
ガシャーンっと音を立てて瓦が割れた。
やるじゃないか「棒を持つ男の手」。
ん?
ちょっと待て。白い破片が飛び散ってないか?
持っていた棒の部分がもげて、手の平の表面が一部剥がれている。これ、人間の手だったら剥離骨折?って勢いでしょうか。
瓦は1枚しか割れていない。
この瓦は無理だ。本当に骨折してしまう。
どうしよう?
試し割り用の瓦があるのな
で、調べました。瓦割りについて。
そうしたら、試し割り用の瓦っていうものがあって、それは普通の瓦よりも割れやすく出来ているらしい。
最初から調べれば良かった。
という訳で、池袋東口の「健武堂格闘技SHOP」にやって来た。空手、柔術、少林寺拳法、合気道、テコンドーに中国武術、更には小川直也選手のハッスルグッズまで。格闘技に関するグッズが盛り沢山なお店だ。もちろん、試し割り用の瓦も置いてある。
試し割り用の瓦についてお店のおばさんに聞いてみた。
「これ、素人でも割れますか?」
「ええ、多分大丈夫だと思いますよ」
「何枚くらいいけますかね?」
「どうでしょう、3、4枚はいけるんじゃないでしょうか」
グッとやる気が戻ってくる。
おばさんは3、4枚って言ってるけど、7、8枚はいけるんじゃないだろうか。余裕を持って、10枚購入することにした。1枚420円。
再び瓦10枚をキャリーに積み、ゴロゴロと引きずって帰る。
これが結構重い。
そして、先ほどの都内某所。
これならガツーンっと割れそうだ。
いっちゃいますか。
健武堂でオープンフィンガーグローブも買っていた。
※オープンフィンガーグローブとは、指の部分が自由になる様に作られているグローブの事で、プライドなどの総合格闘技で使われている。
これで拳がガードされるので、思いっきりいける。
それから、空手衣も買っていた。
通常は白い空手衣を着用する道場がほとんどらしいが、黒い方が強そうに見えるかなあ、と思い黒を選んだ。帯も黒で統一しても良かったのだが、アクセントをつける為に赤にした。
準備万端、いざ、試し割りだ!
の前に、シャドーボクシングで肩慣らしを。
フットワークは軽い。
いくぞ、瓦たち! ひゃっほー!!
鈍い音がした。
演技ではなく、本気でうずくまっている。
瓦はビクともしていない。
割れる瞬間を逃さない様、スタッフに連写モードでの撮影をお願いしていたら、うずくまる所まで連写している。
ここは撮らなくていい。
そして全然話が違う。
割れやすいとか、溝が入ってるとか、3、4枚はいけるとか。
こっちは、右の拳がじんじんしている。
とはいえ、このままでは引っ込みがつかないので、気を取り直して1枚から割っていくことにした。1枚割れたら2枚、2枚割れたら3枚、と枚数を増やしていく方向で。
駄目だ。
多分、向きが悪い。向きを変えてもう1回。
うっ…
全然駄目だ……
だって、固いし。
試し割り用の瓦を手に入れてから、気分はウキウキだった。何枚割れちゃうんだろう、割れ過ぎちゃって困るんじゃないだろうか。でも、そんな心配はどこへやら、うちの事務所には瓦が19枚積んである。
どなたか屋根が漏っちゃってる人がいたら連絡をください。試し割り用の瓦でも十分役に立つと思います。だって固いから。