BS-TBSの「町中華で飲ろうぜ」放送からジワジワ火が付き、雑誌などでも特集され、いま巷は町中華ブームである。
なかでも町中華の名店として名を馳せるのが、文京区にある兆徳。あの『情熱大陸』で店主が密着取材されたこともある。名物は揚げ餃子と玉子チャーハン。
しかしこの兆徳、人気すぎていつ行っても大行列。1時間待ちなんかザラである。その兆徳がついにテイクアウト専門の支店を2022年3月18日にオープンさせた。果たして並ばずに買えるのか?
・普段の兆徳
比較のために、普段の兆徳に並んでみた。時は月曜の夕方5時30分。私の前に並んでいたのは3人だけ。
土日に比べると並びの人数はかなり少ない。しかし私が入店できたのは約40分後。注文した玉子チャーハンと餃子が出てきたのは入店から約10分後であった。
兆徳は席数が非常に少ないのである。カウンターが約7席、4人がけのテーブル席が3つ。行列のすさまじさを知る者はサッと食べてサッと帰るのだが、テーブル席に長居するグループがいると途端に回転率が落ちてしまう。
ちなみに、もともとテイクアウトもやっているので、持ち帰り客と店内客の対応で厨房はフル回転という感じだった。
・テイクアウト専門の支店
新規オープンしたテイクアウト専門店は本店から100mほどの場所にある。電話注文と出前も受けているらしい。
さすが名店、お祝いの花がいろんなところから届いている。
オープン当日は、寒が戻った真冬のような寒さで、雨も降っていた。並ぶのは厳しい天候である。
11時30分に突撃! 私の前に並んでいたのは5人ほど(ちなみに本店は10人以上並んでいた)。
これならそこまで待たずに済みそうだな……と思ったが、甘くなかった。
並んでいる間も注文の電話がひっきりなしに鳴っている。厨房がある程度落ち着いてから、まとめて注文を取る形をとっていたので、注文を聞かれたのは並び始めてから約20分後の11時49分。
店内を覗くと、店主自ら中華鍋を振っていて、戦場のような忙しさ。本店の様子と全く変わらない。
そして出来上がった商品を受け取ったのは、12時7分だった! 並んでから商品を受け取るまで約40分! 兆徳はテイクアウトでも並ぶのは変わらないようだ。
・兆徳が並ぶ理由に納得
しかし、私の前に並んでいた孫を連れた女性の会話を聞いてから、私は待つ時間が苦じゃなくなっていた。寒さで待つのがじれったくなった小さな孫に、女性は
「あのね、ここは注文を受けてから作ってるから美味しいの。朝から作り置きじゃなくて、ちゃんとひとりひとり注文を聞いてるから、こうやって待つんだよ」
と諭していたのである。なるほど、兆徳はちゃんと作り立てだから美味しい、そのとおりかもしれない。この言葉を聞いてから、待ち時間は楽しみな時間に変わったのであった。
・細やかな心遣いも
私が注文したのは
・揚げ餃子(6個入り 600円)
・玉子チャーハン(700円)
・ゴマ団子(3個入り 450円)
の3品。名物の揚げ餃子は、あんかけと餃子を別容器で分けてくれる心遣いも。
兆徳はけっこう量が多いので、何品か食べたくても、ひとりだとあまり注文できない。しかしのんびりマイペースに食べられるテイクアウトならその心配もない。
持ち帰って食べてみると、玉子チャーハンはちゃんとパラッパラ。なんで具が玉子だけなのにこんなに美味しいのか……。
揚餃子はチンしてもパリッパリで、甘酸っぱい餡とのハーモニーが最高! 玉子チャーハン ✕ 揚餃子の組み合わせ、大正解だったなあ。
そして、初めて注文したゴマ団子は、中がしっかり黒ゴマあんになっていて超美味! ごま油の香りと砂糖のジャリッと感がたまらない〜〜〜〜!
オープン初日ということでバタバタしていた可能性が高い。これから少しずつシステムが変わって待ち時間も減っていくかもしれない。並ぶのが苦手な人は、電話注文のほうがいいかも。
また、店内飲食と持ち帰り専門を分けたことで、本店の行列も緩和されそうな気がする。
個人的には待ち時間も含めて、できたてを食べさせるのが兆徳なのだと思うのが吉だと思う!
・今回ご紹介した飲食店の詳細データ
店名 中華 兆徳(出前 お持ち帰り専用)
住所 東京都文京区向丘1-9-28
時間 平日11:00~15:00、17:00〜21:30 / 土日祝11:00〜21:30 ※電話受付は10:00〜15:00 / 16:30〜21:00
電話番号 03-3868-2166