NATOは露との政治的妥結を探れ – 橋下徹

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橋下徹や玉川徹には理解不能…ウクライナ人が無条件降伏は絶対しない理由(デイリー新潮)
https://news.yahoo.co.jp/articles/713fe941580fd2622dc2a7a82fb43a59f57002d8…
➡ いざ戦争が始まってしまうと、論理的な思考ができなくなる典型やな。特に命の安全が保障されている学者は。俺はウクライナに無条件降伏をしろとは言っていない。

終始、政治の知恵で解決すべき。ウクライナだけに負担を負わすのではなくNATOとロシアで政治的妥結をはかるべきという主張だ。戦争が始まると戦え一択の思考になってしまい、その他の主張は全く受け付けなくなる典型だな。プーチン政権を倒すのがベストだが、西側諸国がやるのは経済制裁のみ。

いったい、いつまでウクライナに血を流させるんだ?今も毎日ウクライナ人の命が奪われている。プーチンのウクライナ中立化・非武装化の要望は結局、NATOとロシアの安全保障の問題だろ?そこを、きちっと話をつけないからウクライナに悲惨なしわ寄せが来てしまった。

この戦争の本質を理解しNATOも責任を感じるならウクライナだけに負担を押し付けるのはおかしいと気付くはず。ロシアとの戦争を避けるためNATOは軍事介入できない。であればウクライナが絶対に飲めないロシアの要求をNATOが引き取って、NATOとロシアで安全保障の枠組みについて政治的妥結をはかるべきだ

ところが西側諸国、特に専門家は現在のNATOとロシアの安全保障の枠組みを絶対的なものとする。だからウクライナの犠牲はある意味仕方がないと放置。にもかかわらずウクライナとともにある!と言うのは欺瞞だ。

過去の歴史を引き合いに、ロシアの蛮行の恐れを防ぐためには戦うしかないという主張も理解できる。しかしそれは戦地で命をかけて戦っている戦士の言い分だ。命が保証されている日本人が言うことではない。戦地では死の恐怖が目の前に晒され、苦痛にうめいている非戦闘員のウクライナ人がたくさんいる。

彼ら彼女らの全員が将来のロシアの蛮行を防ぐために、自分の命を投げ打つ、この苦しみを受け入れると考えているのか、それともとにかく今目の前にある恐怖から逃れたいと考えているのか。それは安全な日本からは分からないことだ。言えることは戦闘員は命をかけて戦っているので敬意を表する。

しかし額に拳銃を突きつけられたような非戦闘員が、逃げたい、生き残りたいという思いを持っていたとするならその意思も最大限に尊重すべきだ。それが戦う一択は危険という僕の持論だ。そもそもウクライナだけを犠牲にしているという認識があるのか。

経済制裁でロシアが瓦解する見込みが立っているなら、そこまでウクライナに頑張ってもらうというのも一つの方法だろうが、戦地の現実、これから起こるであろう包囲戦のことを思うと僕は簡単にそうは言えない。

だからウクライナの負担をできる限り軽くするためにNATOとロシアで安全保障の枠組みについて政治的に妥結しろと言い続けている。俺はウクライナに無条件降伏しろなんて言っていない。

今命の安全が保証されている日本において貴殿のような戦う一択の考えの持ち主があまりにも多いから、俺のような主張をするのは苦労するが、それでも今後日本でも戦争になる可能性は否定できない。そのときに紛争の本質を見抜き戦う一択にならずできる限り国民が合理的に判断できるよう主張し続けていく

ロシアの蛮行から祖国を守る。戦地の兵士には敬意を表します。他方、ゼレンスキー大統領はロシアとの停戦協議においてウクライナの中立性についてはNATOとロシアにウクライナの安全を確約して欲しいと訴え。NATOもロシアも相互に脅威を感じている。

そうであれば、経済制裁が効いてロシアが瓦解するまでウクライナに戦ってもらうやり方だけでなく、NATOとロシアが安全保障の枠組みについて政治的妥結をはかるやり方もある。僕は後者だ。

※この記事は橋下徹元大阪市長のツイートを時系列順に並べたものです。
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