中国政府系ハッカー集団「APT41」が少なくともアメリカ6州の政府系ネットワークを攻略していたという報告、Log4Shellなどの脆弱性を突き

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2022年3月8日にGoogle傘下となることが発表されたサイバーセキュリティ企業のMandiantが、中国政府から国家的な支援を受けているとされるハッカー集団「APT41」がアメリカ6州の政府系ネットワークに侵入した形跡があると報告しました。

Does This Look Infected? A Summary of APT41 Targeting U.S. State Governments | Mandiant
https://www.mandiant.com/resources/apt41-us-state-governments

Hackers linked to Chinese government invaded US state networks, security firm says | South China Morning Post
https://www.scmp.com/news/china/diplomacy/article/3169750/hackers-linked-chinese-government-have-invaded-state-networks

Cyber firm: At least 6 US state governments hacked by China | AP News
https://apnews.com/article/technology-business-china-united-states-hacking-ffa2120239eb687ce1979bf9599dfea5

Mandiantによると、APT41は2021年5月から2022年2月にかけてインターネット用ウェブアプリケーションの脆弱性を突いて、州政府が用いるネットワークへ侵入を果たしたとのこと。悪用された脆弱性は、18州で使用されている「USAHerds」という動物の健康管理用アプリケーションに内在していた未知のゼロデイ脆弱性のほか、過去10年で最悪の脆弱性とまで評された「Log4Shell」など。Log4Shellに関しては、APT41はLog4Shellのアドバイザリがリリースされてからわずか数時間で悪用を開始し始め、これによって少なくとも2州の政府系ネットワークを攻略したとのこと。

APT41がアメリカの州政府に対して実行した一連の攻撃について、Mandiantが時系列順にまとめた図表が以下。2021年5月には、1州に対してウェブアプリケーションへのデシリアライゼーション攻撃を実施。7月14日には同じデシリアライゼーション攻撃を異なる州に行い、7月29日には前述したUSAHerdsのゼロデイ脆弱性を突く攻撃を開始。USAHerdsに対する攻撃は10月に2州に対して実行し、12月にもまた異なる1州に対して実行。12月にはLog4Shellを突く攻撃を新たに開始し、これによって2022年2月28日時点で2州が攻略されていたことがわかった、という流れです。


一連の攻撃によって攻略された州政府系ネットワークは、「少なくとも」6つとのこと。Mandiantは被害を受けた政府系ネットワークがどこの州のものかに関する公表は控えており、全米知事協会も報道時点ではコメントを差し控えたとのこと。

前述したように、今回の攻撃は2021年5月から2022年2月にかけて行われたものです。この時期について、アメリカ側もAPT41のハッカー5人を2020年9月16日に起訴したという経緯があったため、Mandiantは「起訴によって攻撃を防ぐことはできなかった」と評しています。

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なお、APT41はアメリカ側が「中国政府の国家的な支援を受けている」としていますが、中国側は「根拠のない臆測」としている集団です。これまでにAPT41が行ったとされる攻撃は、2020年3月頃のコロナ禍における政府施設・医療機関・研究所・製薬会社などの「新型コロナウイルス研究関連機関」に対するものが代表的です。

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また、今回APT41の攻撃について報告を行ったMandiantは、今回の報告と同日である2022年3月8日にGoogleに54億ドル(約6250億円)で買収され、Google Cloudに統合される予定だと発表されました。

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