徹底的に計算されたレイアウトで買い物客の購買欲をあおるIKEAの店舗デザインとは?

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デパートなどの販売店では商品のレイアウトやディスプレイで顧客の購買欲をあおり、売上を伸ばそうと試みています。スウェーデンの家具屋であるIKEAが実施する独自の販売戦略について、ソフトウェアエンジニアのLong Branch Mike氏が解説しています。

IKEA’s Crimes Against Cartography – London Reconnections
https://www.londonreconnections.com/2022/ikeas-crimes-against-cartography/

IKEAは日本を含む世界49カ国に400以上の店舗を展開していますが、どの店舗も同じ原則に基づいて運営・管理されています。どの店舗に置いても、IKEAに入店した顧客は店内でできるだけ多く動くようにさりげなく誘導されているとのこと。

店内のレイアウトは非常に戦略的なものになっており、顧客は2階まであるフロアのあらゆるコーナーと商品の近くを迷路のように進んでいくことになります。買い物客を混乱させるために、道はジグザグに折れ曲がっており、方向や時間を感じさせるための窓もありません。


「一方通行は道路の混雑を抑える」という理論は主に交通エンジニアの間で語られてきたものですが、IKEAはこれを戦略に組み込み、店内を一方通行にすることで買い物客が他の顧客に付いていけるようにしています。これにより多くの人が気になる商品の前で立ち止まるので、行列のスピードが遅くなり、買い物客一人ひとりが商品に触れる時間を増やすことができるのです。

このような道作りにより、2階まで歩くと通常は最低でも1時間、通路の混み具合や購入量にもよりますが、最大2時間以上かかることが多くなるとのこと。人間をひたすら歩かせるという戦略は非常に理にかなっているそうで、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンで建築学を教えるアラン・ペン氏は「IKEAは非常に混乱しやすい場所ですが、進むべき道は1つです。しかし、その道筋を外れるとすぐに方向感覚を失ってしまいます。レジに到着するころには買い物客は疲れており、ほとんどの人はお金を払ってすぐ出たいと思うので、衝動買いをしやすくなります」と分析しています。

さらに、店舗の床には分かりやすいように大きい矢印が表示されています。これにより、買い物客は商品を見ることに集中できます。


天井には看板も付いていますが、これらの多くは片面にしか印刷されていないとのこと。こうすることで、買い物客の逆走を効果的に防いでいるとMike氏は分析します。


ただし、店内にはレジに直結する扉などの「ショートカット」も存在するとのこと。しかし、これらは壁と壁の間にひっそりと隠すように設置されているため、ショートカットを意図的に見つけるのは難しいそうです。


2次元の店舗レイアウトが直線的なトレッキングコースに変わるという計算づくの戦略に加え、魅力的な家具が客の脳を過度に刺激し、衝動買いに対する抵抗感を低下させているとMike氏は指摘しました。

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