「敵兵へのステルス攻撃」「自作手りゅう弾作成」「車両トラップ」など今すぐ使えるノウハウをまとめたゲリラ戦マニュアル「Total Resistance」を読んでみた

GIGAZINE
2022年03月07日 21時00分
メモ



ロシアによるウクライナ侵攻が進む中、ウクライナでは住民が火炎瓶を作ったりバリケードを築いたりして抵抗を続けています。1957年にスイス陸軍の将校がワルシャワ条約機構による侵攻に備えて執筆したゲリラ戦マニュアル「Total Resistance」では、「高威力な手りゅう弾の自作方法」「敵兵をこっそり倒すために狙うべき部位」「敵兵から身を隠す方法」といった、自身がゲリラ戦の当事者になった際に有用な情報が分かりやすく図解されています。

Total Resistance: Swiss Army Guide to Guerrilla Warfare and Underground Operations : Major H. von Dach Bern : Free Download, Borrow, and Streaming : Internet Archive
https://archive.org/details/TotalResistanceSwissArmyGuideToGuerrillaWarfareAndUnderground/

Total Resistanceはワルシャワ条約機構によるスイス侵攻が危ぶまれる中で発行された書籍であるため、非常に実践的な内容が記されています。例えば、手りゅう弾の自作方法を解説した以下の図では、手りゅう弾の殺傷能力を高めるために細かい鉄くずを混ぜ込むことが推奨されています。


敵兵は兵の移動や補給物資の輸送に車両を使います。このため、車両への攻撃は非常に効果的。Total Resistanceはワイヤー式の爆弾トラップや地雷を道路に設置するように指示しています。


また、「すぐに発覚せず、修理に時間がかかるような損壊を車両に与える方法」としてガソリンタンクに砂糖や水を混入する方法が紹介されています。加えて即効性のある方法としてバッテリーを水浸しにすることや、まきびし状にした金属をバラまく方法も紹介されています。


上記の爆弾トラップやまきびしトラップは、道路に直接配置すると容易に回避されてしまいます。そこで、道路上に倒木などの障害物を設置し、その障害物を回避した先にトラップを仕掛けると効果的とのこと。


ゲリラ戦では、敵兵を目立たず、迅速に戦闘不能にさせる必要があります。そのために重要なのが敵兵を狙うタイミングや攻撃する部位。Total Resistanceでは、夜間に大通りを避けて攻撃を仕掛けることが推奨されており、「腰と背中の間を斜めに攻撃」「斧を使って首の後ろや肩甲骨の間を攻撃(斧を推奨)」といった攻撃手法が「静かに敵を倒すコツ」として紹介されています。


ゲリラ戦を展開する際は、3~4人の少人数チームで行動するのが適切とのこと。この際、リーダーを除くメンバーは地面に穴を掘って隠れ、リーダーは木の上などに潜んで敵を監視します。


ゲリラ兵が隠れる穴はこんな感じ。横幅は60cmで、深さは105~110cmあれば十分とされています。


侵略軍は、侵略した土地の電力網を利用します。コレを防ぐために、Total Resistanceは電線に向かって樹木を切り倒して電線を切断する方法を解説。加えて、お手軽な方法として「おもりを結び付けたワイヤー」を電線に絡ませてワイヤーの先を金属に結ぶ方法や、地面に約30cmはわせるといった方法が紹介されています。


上記の内容は、Total Resistanceに記された戦術の一部で、Total Resistanceには他にも多様な戦術が記載されています。内容が気になった場合は、以下のリンク先からPDF形式やEPUB形式でダウンロードできます。

Total Resistance: Swiss Army Guide to Guerrilla Warfare and Underground Operations : Major H. von Dach Bern : Free Download, Borrow, and Streaming : Internet Archive
https://archive.org/details/TotalResistanceSwissArmyGuideToGuerrillaWarfareAndUnderground/


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