プーチン氏、侵攻の正当性を強調 – BBCニュース

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ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は5日、ロシアのウクライナ侵攻を受けて西側諸国が発動した対ロ経済・金融制裁は「宣戦布告のようなもの」だと述べた。「しかしありがたいことに、そこまでには至っていない」とも述べた。ウクライナの大統領が西側に求めているウクライナ領空の飛行禁止区域設定については、そのような行為は武力紛争への参戦とみなされる、当事者は敵性戦闘員とみなされると警告した。

プーチン氏はモスクワ近郊にあるアエロフロート訓練施設を訪れ、女性客室乗務員たちと歓談した際に、発言した。

ロシアが2月24日にウクライナ侵攻を開始して以来、西側諸国はロシアの金融機関を国際決済通信網から排除したり、ロシア機の領空飛行を禁止するなど、様々な制裁を科してきた。プーチン大統領自身やセルゲイ・ラヴロフ外相をはじめ多くの政府関係者、政府に近い大富豪たちの外国資産も凍結した。西側政府の制裁に加え、クレジット会社マスターカードやビザをはじめ、多くの国際企業がロシアでの取引を中止している。

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プーチン大統領はさらに、北大西洋条約機構(NATO)がウクライナ上空に飛行禁止区域を設定するようなことがあれば、それは武力紛争への参戦とみなされる、当事者は敵性戦闘員とみなされると警告した。飛行禁止区域の設定は、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領をはじめ多くのウクライナ人が強く求めている。しかし、設定すればNATOがウクライナ領空に入ったロシア軍機を撃墜することが求められるため、NATOはこれを拒否している。

プーチン氏は、「(ウクライナの指導部は)自分たちが今やっていることを続ければ、ウクライナの国家としての未来を危うくしているのだと理解する必要がある」とも警告した。

大統領は一方で、ロシアで非常事態を宣言したり、戒厳令を発令したりするつもりはないと言明。そのような措置は「外部からの侵攻があった場合に限り、軍事行動が行われる場所に限定」されるものの、「そのような状況ではないし、そうならないよう願っている」と述べた。

その上でウクライナ侵攻の正当性をあらためて強調。ロシアはウクライナの「非軍事化と非ナチス化」を通じて、ウクライナ国内のロシア語話者たちを守ろうとしているのだと強調した。

ロシア軍の作戦が思った通りに進んでいないのではないかという西側の指摘については、「我が軍は全ての任務を完遂する。その点はまったく疑っていない。何もかも予定通りだ」と述べた。

侵攻に参加しているロシア兵には徴兵が多いと言われているが、プーチン氏はこれを否定。侵攻に参加しているのは職業軍人のみだとも述べた。

イスラエル首相がプーチン氏と会談

イスラエルのナフタリ・ベネット首相は同日、モスクワを訪れ、約2時間半にわたりプーチン大統領と会談した。ベネット首相のロシア訪問は、首相が実際にクレムリン(ロシア大統領府)に入るまで、伏せられていた。

イスラエル首相府は、プーチン氏とのこの会談については事前にアメリカに連絡していたと明らかにした。

ベネット首相は正統派ユダヤ教徒。5日は土曜日で、本来ならば安息日のため、このような行動はとれないはずだっただけに、ベネット首相の訪ロがいかに緊急性の高いものがうかがわれるという指摘が出ている。ユダヤ教の戒律では、人命がかかる緊急事態にのみ、安息日でも激しい活動が許される。

イスラエルはアメリカと強固な同盟関係を築いているが、プーチン大統領とベネット首相はこれまでに何度か会談しており、関係は良好だとされる。一方、ウクライナのゼレンスキー首相はユダヤ系で、かつてベネット首相にロシアとの紛争での仲介を依頼していた。

プーチン大統領との会談を終えたベネット首相は、続いてドイツを訪れ、オラフ・ショルツ独首相と会談した後、イスラエルに帰国した。

(英語記事 Putin says sanctions over Ukraine are like a declaration of war

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