魂の力であるスタンド(幽波紋)。その画期的な異能力バトルの描き方はジョジョを代表する存在だ。特に、ジョジョ三部をジャンプで読んでいた私(中澤)の世代にとって、DIOの「ザ・ワールド」は最も圧倒的なスタンドの1つだろう。
何せ、静止した時の中を自由に動けるのである。何それ最高やん。自分がもし「ザ・ワールド」を使えたら闘いになんて使わない。もっとエロイことに使う。そう思って、改めてザ・ワールドが時を止められる時間を調べたところ……
・5秒
5秒て。銀行強盗をしようとしても入口を入ったところで時が動き出す。女風呂に突撃したとしても番台の前が関の山だ。いや、悪事の場合目撃されてはならないため、現実を考えるともっとシビアである。クソがァァァアアア! 5秒で何ができるっちゅうねん!!
DIOが1回の時止めで、割と余裕をもって色んなことをしてるからもっと長いイメージだった。よく5秒であの長文の思考ができるな。凡人ならやりたいことを思い出してるだけで終わりそうである。結論出すまで何秒やねん。さすが人間を超越した存在。
・編集部で議論してみた
とは言え、「除夜の鐘を1万回つくべき」との意見も出るほど、煩悩豊富なロケットニュース24の面々なら、私が思いつかない画期的なアイデアを持っているかもしれない。そこで「ザ・ワールド」が使えたら何をするか議論してみた。
GO羽鳥(編集長)「電車の中とかで良いなって思う子がいたら時間を止めてパンツを確認する。タッチはしない。ルール違反な気がするから」
中澤星児「なるほど紳士的ですね。ってパンツは見んのかい!」
P.K.サンジュン「叶姉妹とすれ違った時にダイヤを盗む」
中澤星児「千載一遇にかけすぎでしょ」
亀沢郁奈「人の財布をパクッて「落ちましたよ」って渡す」
中澤星児「え? それなんか意味あるの?」
亀沢郁奈「「ありがとう」ってお礼をくれるかもしれないじゃん」
中澤星児「普通にパクッた方がよくない?」
亀沢郁奈「それだと足がつきそうだから……」
中澤星児「なるほどなるほど……思考回路が詐欺師」
和才雄一郎(副編集長)「女風呂に入って空気を味わう。5秒なら2回くらいは吸えるはず」
中澤星児「シンプルに変態」
原田たかし「しばく」
中澤星児「え?」
原田たかし「しばく」
中澤星児「何を?」
原田たかし「むかつくヤツを」
中澤星児「ほぼDIOですやん」
・バトル用途で使うなら
やはりバトル以外の用途で有効な使い道は出なかった。では、逆に闘いで金を稼ぐことはできないだろうか? 例えば、格闘技の大会で優勝するとか。そこでキックボクシングの選手として試合もこなしているGO羽鳥に改めて聞いてみたところ……
GO羽鳥「そう考えると5秒はデカイな。金的2回くらい蹴れそうだし」
P.K.サンジュン「いや、厳しいんじゃないスか? 時を止める前と後で瞬間移動してるみたいになるわけでしょ? ビデオで見たら「なんかやってる」って一発で分かりそうじゃないですか」
GO羽鳥「時を止める前と同じ態勢に戻ってきたらいい。ボディブローのフリして時を止めて、金的2発蹴って、ボディブロー打つみたいな。ビデオで見たらボディブローがめっちゃ効いてるようにしか見えないんじゃないかな」
──というわけで、現状、我々の頭ではこの悪魔のボディブローで勝ち上がり続けていずれK-1とかRIZINに出るというルートが最適の使い道となった。もっと人生をハックできそうな能力なのに宝の持ち腐れである。「ザ・ワールド」は少なくとも使いこなす頭がないと役立たずすぎることが判明した。
・DIOの本当の凄さ
そう考えると、ひとコマごとに状況が変化する中であそこまでポンポンと使い道を思いつくDIOは凄い。DIOの本当の怖さは「ザ・ワールド」以上にその頭脳だと思う。
この5秒の有意義な使い道を思いつく人は、それだけでDIOなみの帝王になれる可能性があると言えるだろう。時は金なり。明日はいつだって少しの時間の積み重ねなのだから。さて、あなたならこの5秒をどう使うだろうか?
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.