NHK、明度も考慮した新しい色域表現手法「Gamut Rings」。ディスプレイの色再現をより正確にわかりやすく

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NHK技研が施策したディスプレイ色域自動測定装置

 NHK放送技術研究所(技研)は15日、ディスプレイの色再現範囲(色域)を表現するための新しい手法「Gamut Rings(ガマットリングス)」が、国際電気標準会議(IEC)で2021年1月に、国際照明委員会(CIE)では2021年11月に国際標準として採用され、この新手法に基づいてディスプレイの色域を自動で測定して表示する装置も実現したと発表した。

 従来の色域は原色(赤/青/緑)の色度点で定義され、色度図上の三角形の領域で簡易的に表現していた。この色度図は紙面上などで2次元で表現するには便利だが、本来ディスプレイの色域の正確な評価は明度を含め、3次元の色域立体で表現する必要がある。

 そのため、この表現は3次元形状を自由な角度から見る機能がある表示装置でないと正しく評価できず、3次元の色域立体を適切に評価できる新たな2次元表現手法の開発が課題となっていた。

 NHK技研が考案したGamut Ringsは、色域立体を一定の明度感覚で輪切りにして、明度の低い方から平面に引き伸ばし、より高い明度の色域をその周辺にリング状で配置する。リングの面積は3次元の色域の体積に比例し、中心からの角度は赤/青/緑などの色相を表す。

 これにより色域を正しく評価でき、ディスプレイの設計や性能評価をはじめ、放送用から家庭用まで、様々なディスプレイやTVの性能比較や選定に役立つことが期待される。

従来の色度図では色再現範囲が同じに見える2つのディスプレイ。しかしディスプレイBは明度が高い場合に高い彩度が表現できない。Gamut Ringsでは差が一目瞭然となる

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