インテル、“ノートならEvo”の指名買い目指す

PC Watch

上野晶子氏

 インテル株式会社は15日、都内で記者向けのラウンドテーブルを開催し、同社マーケティング本部 本部長の上野晶子氏が年末商戦に向けた同社の取り組みなどを紹介した。

 ちなみに上野氏は2003年よりインテルで10年間ほど勤務していて、入社当初はCentrino、退社直前はUltrabookといったプラットフォームに携わっていた。インテル退社後しばらくは他企業に勤めたが、3年前からインテルに戻りマーケティングを担当。2022年4月より本部長として部隊を率いている人物となる。

 同氏はまず、インテル創業者であるロバート・ノイス氏の言葉「Do Something Wonderful」という言葉を借り、この言葉を大切にしてビジネスを展開してきたとする。すなわち、インテルは単純にCPUといった半導体を作って終わりにするのではなく、「誰かが素敵なことを始めるためのお手伝いをする立場」としてビジネスを継続していると掲げた。

上野氏入社時に携わったCentrinoと、退社直前に携わったUltrabook

Do Something Wonderfulというメッセージ

 そのため、PCがPCであることはインテルにとってそれほど大事ではなく、ユーザーにとってPCの体験、そしてPCを使ってもらうことの方を重要であるとし、インテル自社のみならず、PCメーカーやネットワークの会社など、パートナーとともにPCの体験を届けていることを強調した。

インテルがユーザーに届けるのはPCの体験

年末商戦はクリエイターとゲーマーに注力。デスクトップなら第13世代Core

 コロナ禍によって、リモートワークや教育分野でもPCの利活用が増えているが、この年末商戦はコンテンツクリエイター、そしてゲーマーという一般消費者のユーセージを訴求していくという。

クリエイター向けのBlue Carpet Projectと、ゲーマー向けのBlue Community(RUGs)

 クリエイター向けでは、「Blue Carpet Project」をさらに推進し、トップクリエイターの協力を得て、コンテンツ制作そのものの魅力を、新しいクリエイターに届けていき、その中でインテルの製品を選んで貰えるようにするという。今やクリエイター向けと言えばApple製品のイメージもあるが、3Dモデリングやゲーム開発、(ボーカロイドなどを駆使した)音楽制作など、新しい分野のコンテンツ制作ではではWindowsプラットフォームの方が優位。トップクリエイターへのPCの貸し出しや、ソフトウェアベンダーとの協業による最適化など、長いプロジェクトを継続させていく意向を示した。

Blue Carpet Projectは長いビジョンの取り組み

 一方ゲーミングについて、日本では“ゲームするならコンソールゲーム機”という文化がこれまで根強かったものの、グローバルでPCゲームへ移行している中、ゲームソフトウェア開発者の意識も変化しつつあり、PCタイトルも増えている。そこでインテルは「PCなら仕事の合間などにゲームができる」というメッセージをユーザーに伝えていく。

 例えば、ゲームの動作検証プログラムや、ゲーマー向けの情報が集まったサイト「RUGs」の展開を行なっている。さらに東京ゲームショウのブースでは、パートナーのインテル採用製品の展示を行なうといった活動も行なってきた。

すきま時間にプレイできるPCゲーム

 「ゲームはCPUとGPUというコンピューティングパワーをフルに活用でき、PCの使い方としてはある意味正しく、そのパワーをフルに活用したアート作品として見ることもできる。インテルでは、ゲーム検証プログラムなども立ち上がっており、訴求活動はようやく花が咲き始めた」と上野氏は言う。

 一般消費者に直接届く施策として、11月19日~20日の2日間、「第13世代Coreタッチ&トライイベント」を、東京・秋葉原のAKIBA SQUARE(東京都千代田区外神田4-14-1 秋葉原UDX)で開催。クリエイターやゲーマーに第13世代Coreの性能を訴求していくという。ここでは主にBTOメーカーの製品の訴求や、自作PCユーザーへのメッセージを届けるという。

第13世代Touch & Tryイベントを開催

ノートPCはEvoの指名買いを目指す

 本格的なクリエイティブ作業やゲーミングの話題は、どちらかと言えばデスクトップだが、ライトなクリエイティブ用途やゲーミング用途ではノートPCでも十分であり、もちろんそちらについても継続してマーケティング活動を行なっていく。その中でも特に訴求していきたいというのがEvoプラットフォームだ。

年末商戦、ノートPCはEvo、デスクトップPCはBTOや第13世代Coreそのものを訴求する

 量販店といったパートナー向けには、EVOプラットフォーム採用PCを一堂に集めた内覧会を実施。「消費者が、自分の目的を成すためにPCを購入しにいくが、その購入や選択する行為そのもの自体も楽しい体験であってほしい」という思いから実施されるこの内覧会では、パートナーにEvo準拠PCの魅力を訴求し、販売の際の参考にしてもらいたいとした。

EvoプラットフォームならノートPCでも動画編集が可能な性能を持つ、ということをアピールするため、リアルアキバボーイズとコラボした動画を展開

パートナー向けのEvo搭載ノート製品の訴求

 「Evoのバッジが貼られたPCはたくさんある。それでも持ち運び重視なのか、画面の綺麗さ重視なのかで、いろいろな選択肢が用意されており、ユーザーのシナリオに合わせて提案できる。“無線搭載PCならCentrino”の時代のように訴求していきたいが、消費者の中のEvoの知名度はまだそこまで高くないというお叱りも頂いている。活動を通して“Evoの指名買い”を目指したい」と語った。

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