スターバックスコーヒー。 Googleで検索すると、「シアトルを拠点とするコーヒーチェーン店。自社ブランドの焙煎コーヒーで知られる。軽食もあり、Wi-Fiが利用可能」と出てくる。
多くの人はスタバと呼ぶ。そういえば、フルネームで呼んでいる人にまだ会ったことがない。
そんなスタバの軽食メニューのなかで、最も推したいのがバナナである。
おしゃれでなくてもスタバには通う
当方おしゃれな人類ではないのだが、よく考えてみるとスタバに結構通っている。なんやかんやで週に1回くらいは行ってると思う。
意外と居心地は悪くない。むしろいい。
電源がとれて、Wi-Fiがあって、2杯目のコーヒーが安くて、店内がわりと静かなので、家ではなかなか進まない作業もはかどるのだ。
バナナはレジ前に置かれていることが多い。黒いカゴの中でゆったりと優雅に、ありのままの姿で寝そべっている。
その日によって、黒い斑点(シュガースポットという名前らしい)があったり、なかったり。
綿密にデザインされた空間のなかで、いちばんナチュラルな形状をしているのがバナナだ。そこだけが異空間にも見える。でも当のバナナはきっと、そんなこと全然気にしていない。
俺は俺。君は君。バナナはバナナである。
威風堂々と、鮮やかな黄色を身にまとい、ただそこに存在しているバナナはかっこいい。
わたしも、そういうふうに生きてみたいよと思う。
公式サイトのフードメニューには載ってない
ところで、もしかすると「スタバに行ったことはあるけど、バナナを見たことはない」いう人、いるんじゃないだろうか。おそらくいると思う。新宿区内の数店舗で店員さんに聞き込みをしてわかったことなのだが、バナナの扱いはお店ごとに異なる。
スタバのバナナについて、わかったこと
・バナナの取り扱いがない店舗もある。
・毎日置かれているとも限らない。
・平日だけ置いている店舗もある。
・店内に並ぶのは朝。なくなり次第その日の分は終了。
・公式サイトのフードメニューには載ってない。
バナナを取り扱っている店舗へ、バナナが置いてあるタイミングに行ったことがなければ、バナナに出会うこともない。
つまりざっくり言うと、バナナに巡り会えるのはそこそこの幸運だ。レジ前に置かれたバナナが目に留まったら、これもなにかの縁だと思ってぜひ手にとってみてほしい。
食べるときはちょっと緊張する
懸念があるとすれば、食べてるときのなんともいえない照れくささだけだろう。折目正しい空間のなかで、バナナの皮をむき、むしゃむしゃと頬張るのはちょっと緊張する。
口を小さく開いてちょっとずつ食べてもやっぱり緊張するし、大口開けて食べるのは更にためらわれる。
スタバで買ったバナナなので、スタバで食べることになんら問題はない。ないはずだ。なのになんでこんなに照れくさいのか。
心のなかのゴリラが、いいの?本当にいいの?ここでバナナを食べてもいいの?……ほんとに?と声をかけてくる。
でもゴリラよ、大丈夫だ。君はさっきここでバナナを食べるために、レジでお会計をすませてきているのだ。
ちなみに味だが、高級感があるとか、特別な感じがするとかは特にない。やわらかくて甘い。ごく一般的な、これまで慣れ親しんできたものと同じような、どこまでも安定感のあるバナナの味である。
そこがまた、妙にぐっとくるのである。
食べませんか
そんなバナナではあるが、なんということか、頼んでいる人を自分以外にまだ肉眼で見たことがない。会ったことがないだけで、存在はしているはず。でも、ちょっと心細いのである。よかったらぜひみなさんも一緒に食べませんか。コーヒーともよく合います。