【会場内最高峰】これが「土地付き新築一戸建てが買える金額のキャンピングカー」だ! ジャパンキャンピングカーショー2022

ロケットニュース24

年に一度、幕張メッセを会場にキャンピングカーの祭典が開かれる。全国各地で商談会はあるが、もっとも規模が大きく、各社がニューモデルを披露するちょっと特別な場が「ジャパンキャンピングカーショー」だ。

数百台のキャンピングカーが並ぶ様子は圧巻のひと言! 買うのは芸能人や実業家のような「別次元の話」と思われがちだが、実際には中古車市場も活発だし、新車でも300万円くらいから実用的なキャンピングカーが存在する。しかし、筆者はふと下世話なことを思った。

この会場で一番豪華で高~いのはどれだろう? 買えないけど。


・最高級車を探す!

水陸両用だったりフェラーリを格納できたり、世界には想像を絶するキャンピングカーも存在するが、日本では実用的でない。

今回は、国内を自走できることを条件に探してみる。つまり「その気になれば乗れる」車だ。牽引されなければ動けないキャンピングトレーラーは除くことにしよう。

会場はとにかく広い。国際展示場のホール1・2・3をメイン会場として、さらに渡り廊下で4までつながっている、といえばイメージできる方も多いだろう。

肌感覚としては、軽キャンパーやコンパクトバンコンと呼ばれる小型車で300万円台から。ハイエースなどをベースにした人気のタイプは600万円くらいから、バスやトラックをベースにした本格的なタイプでは1000万円を超えるモデルもざらにある。

やはり車体が大きいと装備品も多くなる傾向にあるし、ベース車両そのものが高級車だったりすると価格も……

などと思って歩き回っていたら、ポールで区切られ周囲とは明らかに異質のコーナーがあった。多くの車が自由見学できるなか、内覧は予約制。

きらりと光る、メルセデス・ベンツのエンブレム! ドイツ・ハイマー社のモーターホーム「B-MLI780」だ。キター! これに違いない!!

全長およそ8メートル、キャンピングカーの最高峰と呼ばれる輸入フルコンバージョン。バスやトラックなど「なにかを流用・改造した」車ではなく、最初からキャンピングカーとなるべく生まれてきた車。キャンカー界のサラブレッドといってもいいだろう。

どう間違っても顧客には見えなさそうな筆者だったが快く取材させていただけた。ステップまで高級感があるな。失礼いたします!


入ってすぐのスペースはダイネット。食事をしたり、くつろぐためのリビング・ダイニングのようなスペースだ。


日本車では見慣れない「運転席・助手席を180度ターン」して向かい合わせにする構造。こうすることで、ひとつのテーブルを家族で囲める広さになる。


もちろんこれは演出のための小道具だけれども、テーブルに出ているのはシャンパンだろうか。32インチモニターも標準装備。


車両後方に向かってギャレー(キッチン)、トイレ、シャワー、ベッドルームが並んでいる。


奥に向かって右側に調理スペース。海外アパートメントホテルのキッチンのようだ。


家と見まごうばかりの本格的なビルトインのオーブン。そういえば欧米ではごく小さなアパートでもオーブンがあると聞く。冷蔵庫はコンロの真向かいにある。


ギャレーの隣はシャワールーム。なんとトイレとは別の、独立した防水ルームだ。国産モデルではトイレにもシャワーにも洗面所にもなる汎用のマルチルームがひとつあるだけでも贅沢。

180リットルの給水タンクを積み、温水シャワー対応。ちなみに筆者の愛車(国産キャンピングカー)の給水タンクは水しか出ない上に10リットルだ。げふん。

反対側の扉を開けるとカセット式トイレ。車外から汚水の処理をする。


カップホルダーがあるから、洗面所も兼ねているんだな。トイレの扉を開け放てば広く使えそう。


最奥、階段を何段か上ったところがベッドルームだ。上品な間接照明で高級ホテルのよう!

この「常設ベッド」は、一定以上の床面積がないと実現できない贅沢な装備のひとつでもある。住宅業界で二階建て・三階建てよりも平屋の方が贅沢といわれるのと同じ理由だ。

ハイエースなどのバンタイプに多い、シート(座席)を組み替えてベッドを生み出すモデルでは、毎朝毎晩、荷物を寄せてシートを変形させて……という作業が必要。もし同乗者がいたらベッドメイキングのあいだは車外に出ていてもらわないといけない。あぁ、憧れの常設ベッド……。

もうひとつ、運転席の上部を引き出すことでサブのベッドが登場する。前後合わせて就寝定員5名だ。


定期的にどこかで給排水したりトイレの処理をしたりガスを充填したりという制約はあるものの、限りなく「家」に近い乗り物だ。もう住める。

どこか景色のいいところに停留して、何日かに一度メンテナンスのために街に下りる。景色に飽きたらまた別のところに移動して停留する。

何週間でも過ごせるし、どこまでも走って行ける。まさにこれが大陸仕様……


さて気になる、そのお値段は……



およそ2400万円ー!


筆者の地元なら土地付き新築一戸建てが買える金額だった。

なお、キャンピングカーの価格は選択するベース車両、内装グレード、オプション装備の有無などによって似たモデルでも金額が大きく上下する。そのため厳密に比較するのは難しいのだが、もし「○○の方が高い」といった車両があったらご容赦いただきたい。

少なくとも「いつかは所有してみたい」夢のキャンピングカーであることは確かだ。キャンピングカーの最高峰、いかがだろうか。


参考リンク:ジャパンキャンピングカーショーHYMER Japan
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.

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