プラモデル組みたい。けれど塗装が死ぬほど苦手だ。難しいし塗料を揃えるのも大変だしキレイにできないし。
そんな筆者のような “なんちゃってモデラー” のニーズに応え、童友社には塗装不要の「凄!プラモデル」シリーズがあるのだが、さらなる進化形「凄!かんたんプラモデル」が発売された。モデルは豪華客船タイタニック号!
塗装不要、接着剤不要のキットといえば車やガンダムがあるけれど、船舶模型はどちらかというとニッチなジャンルじゃないだろうか。しかも船艦ではなく豪華客船だっていうんだからクルーズファンの筆者としては「即買い」だ!
・「凄!かんたんプラモデル 1 / 1000 R.M.S. タイタニック」(税込3850円)
開封すると「これもうほぼ完成済み?」というような船体が出てくる。部品数は78パーツと、かなり少ない。
この特徴的な船体カラーは正式にはなんて呼ぶのだろう? と思って「タイタニック カラーリング」とググったら、当サイトのレオナルド・ディカプリオ変身記事が出てきた。チガウ、ソレジャナイ。
最初からランナーごとに違う色で成型されている。メタル部分もピッカピカ。
パチパチと切ってはめ込むだけなので本当に簡単。一応、接着剤不要のスナップフィットなのだけれど、パーツの脱落が心配なので接着剤も併用した。
塗装不要の秘密はこれ! 裏側から別色のパーツを押し込むと……
反対側に必要な部分だけ飛び出してくる! この場合は小さな小さなベンチ!! 一等乗客がくつろいでいたところかな。
これを筆で塗り分け、となったら発狂するところだった。塗装そのものよりもマスキングで死ぬ。そしてマスキングしたはずなのに、はがしたら塗料が漏れていて二度死ぬ。
その他の細かいパーツも、震える手で位置決めして接着……という必要がなく、基本的には凹凸を組み合わせることで固定される。パーツもやや軟らかい素材なので、弾力を利用してグッと押し込むことができる。
甲板がどんどん賑やかになっていく。ちなみに映画では、上部デッキのきらびやかな施設は一等乗客専用だったけれど、現代の客船ではそういった区別はほとんどなくなっている。
「○○クラス専用エリア」のようなものはあるけれど、基本的にはどの値段の客室に泊まっていても船内での扱いは同等、というのが一般的。
そんな中でクイーン・エリザベス号などを運航するキュナード社は、「客室クラスによってメインダイニング(食事場所や内容)が異なる」という古風なシステムをいまだに維持しているのだけれど、かつてのタイタニック運航会社を合併した会社なのだ。
特徴的な4本の煙突! ちょっと色が明るすぎる気もするが、造船当初はこうだったのかもしれない。
こちらも差し込むだけで位置がバシッと決まる。作業中「上手くいかない」という工程がまったくなくストレスフリーである。
そしてステッカーも最初からカット済み! 自分で切り出す必要はない!! 水につけて分離して……という工程も不要。
完成である!! バリ取りなどは丁寧にやっていないものの、作業時間わずか2時間! 本当にさくさくっと組み上がる。塗装→乾燥→塗装→乾燥と繰り返すプラモデルでは数日かかるのが普通じゃないだろうか。
あの船首! 脳内でセリーヌ・ディオンが響く。赤く染まる空、どこまでも行けそうな自由な海……。
結婚を悲観したローズが身を投げようとした船尾。
上部の大きめの窓はパブリックスペースや上級客室。現代の客船でも、船底に近い丸窓のキャビンはリーズナブルな客室だったり、クルーの居室だったりする。でも安定感があるので船酔いしやすい人にはオススメ。
簡単キットなので細部は省略されていたり、色あいにプラスチック感があったりと、精密なキットには敵わないところもある。けれど一目で「タイタニックだ!」とわかる美しいシルエットには大満足。
・もう一度やってみない?
在宅時間も長くなってプラモデル再開したいけれど塗装がなぁ……と思っている人がいたら、ぜひトライしてみて欲しい! 簡単に組み上がるのに「造船した!」という感動と充実感を味わえるぞ。
もう少し手応えのあるキットを、という場合には「凄!プラモデル」シリーズもある。同じタイタニック号で1 / 700スケール、税込6050円だ。