仮想通貨などの投資詐欺がネット上で2倍以上に増加、被害者の中心は若年層

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アメリカ連邦取引委員会(FTC)が、2021年のオンライン詐欺についてのレポートを発表しました。それによると仮想通貨への投資をうたった詐欺が増加し、特に金融関連のリテラシーが低い若年層を中心に被害が拡大しているとのことです。

Social media a gold mine for scammers in 2021 | Federal Trade Commission
https://www.ftc.gov/news-events/blogs/data-spotlight/2022/01/social-media-gold-mine-scammers-2021

FTC Finds Huge Surge in Consumer Reports about Losing Money To Scams Initiated Through Social Media | Federal Trade Commission
https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2022/01/ftc-finds-huge-surge-consumer-reports-about-losing-money-scams

Crypto leads to massive surge in online scams – Axios
https://www.axios.com/crypto-scam-ftc-2079c3b2-6237-4ff8-92f2-d08382cd0d70.html

FTCによれば、2021年にソーシャルメディアプラットフォーム上で詐欺に遭ったという報告が9万5000人以上からあったとのこと。2020年は約4万6000人だったため、1年で被害者数は2倍以上に増加したことになります。また、2021年におけるオンライン詐欺の被害総額は7億7000万ドル(約890億円)で、2020年の2億5800万ドル(約300億円)の3倍近くに増加しました。オンライン詐欺の2億5800万ドルという被害額は、2021年に報告されたすべての詐欺事件の被害総額のおよそ25%を占めているとのこと。


また、被害者を年齢層別に見ると、18~39歳の被害者数は40歳以上の2.4倍で、オンライン詐欺被害が若年層を中心に広がっていることが示されました。

オンライン詐欺の中で最も被害額が多かったのが、仮想通貨や株の投資をかたった詐欺でした。FTCのレポートでは、「ソーシャルメディアプラットフォームは投資詐欺、特に仮想通貨投資をかたった詐欺によく使われています。2021年に投資詐欺の被害を報告した人の半数以上が、ソーシャルメディアで詐欺師と接触しました」と述べられています。


仮想通貨関連の詐欺に次いで2番目に被害額が多かったのが、ロマンス詐欺です。ロマンス詐欺はソーシャルメディアで知り合った相手をだまして恋人や婚約者になったかのように振る舞って金銭を送金させる特殊詐欺。2021年3月にFTCが発表したレポートでは、新型コロナウイルス感染症の拡大による外出制限が影響してロマンス詐欺が急増していると報告されていました。

恋愛の力で相手をだます「ロマンス詐欺」の被害が50%も増加、新型コロナが原因か – GIGAZINE


そして、被害額は3番目ですが、被害報告数が最も多かったのが、オンラインショッピングに関する詐欺。オンラインショッピングに関する詐欺の報告のうち、70%は「広告を見て注文したが、支払いを済ませても商品が発送されなかった」というものでした。商品未発送を報告した被害者の9割近くが「FacebookあるいはInstagramで広告を見た」と答えたそうです。また、既存のウェブサイトにそっくりな偽サイトに誘導してだます手口も存在します。

FTCはソーシャルメディアでオンライン詐欺に遭わないためのポイントとして、以下の5点を挙げています。

・プライバシー設定で制限を設け、ソーシャルメディア上の自分の投稿を見られる人を制限する。
・ターゲティング広告を停止できるかどうかを確認する。
・友人から「いい話がある」「緊急にお金が必要」というメッセージを受け取ったら、友人のアカウントがハッキングされている可能性もあるため、その友人に電話して確認する。特に、仮想通貨、ギフトカード、電信送金での支払いを求めてきた場合は要注意。
・ソーシャルメディア上で知らない人から「友達になろう」「付き合おう」と話しかけられた場合、冷静に対処する。当然のことながら、実際に会ったことのない人にお金を送らないようにする。
・インターネット上で商品を購入する前に、販売会社の社名に「詐欺」「苦情」などのキーワードを付け加えて検索してチェックする。

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