映画『月世界旅行』の月を思い出します。
イーロン・マスクが主導するSpaceXが打ち上げたロケットが、近々月面に衝突するであろうことが判明しました。それは2015年2月11日に打ち上げたファルコン9ロケットの、2段目のブースター。当時はまだ地球に戻って再利用する機能がなかったので、そのまま軌道上に留まり、制御不能のスペース・デブリになっているのです。
正確な時刻も場所も予測されている
この計算は、隕石や流れ星やスペース・デブリの追跡ソフトを開発している、ビル・グレイ氏が導き出したもので、衝突は3月4日の世界時で12時25分58秒、月の裏側にあるヘルツシュプルング・クレーターで起こるとのことです。秒速2.58kmで突っ込むので、「それなりの衝撃になる」と予測しています。
天文学者「大したことないよ」
これについて、ハーバード・スミソニアン天体物理学センターの天文学者、ジョナサン・マクドウェル氏がこうツイートしています。
For those asking: yes, an old Falcon 9 second stage left in high orbit in 2015 is going to hit the moon on March 4. It’s interesting, but not a big deal.
— Jonathan McDowell (@planet4589) January 25, 2022
そうです、2015年に高軌道に残され、古くなったファルコン9の2段目は、3月4日に月にぶつかるでしょう。興味深いですが、さして問題ではありません
月面は砂漠のような場所ですし、ベタベタでポコポコの地表には、ウサギ型の岩石と中国の月面探査機「玉兔2号」がいる程度。月的には何も影響はないようです。また衝突は月の裏側なのと合わせて、新月から数日後の暗くなった場所なので、観測は難しいとのことです。
新たなゴミは衝突したブースターになる
人類はこれまで、月に約180トンものいろいろな「ゴミ」を捨ててきたわけですが、ファルコン9のブースターはその中でも最大級のゴミになるんでしょうね。いつか「玉兔2号」が、その場所に派遣されるでしょうか?
Source: Project Pluto, Twitter via INTERESTING ENGINEERING