インプレス(東京都千代田区)のウェブメディア「ケータイWatch」は、家電製品のオン・オフを遠隔で操作できる「スマートプラグ」を、電気用品安全法で禁止されている電熱器を含む機器に使用した記事を掲載し、2022年1月27日に謝罪した。
記事ではスマートプラグでこたつの電源を入れる事例を紹介し、読者から危険性や法律違反を指摘されていた。
他メディアはガスファンヒーターに使用→謝罪の前例
スマートプラグはコンセントと家電の間に挟んで使う製品。スマートフォンアプリやスマートスピーカーを介することで、離れた場所からも家電のオン・オフを切り替えられる。
ケータイWatchは27日0時に「リビングが外みたいに寒いので、スマートプラグを導入しました」と題した記事を公開。Amazonのスマートスピーカー・Alexa対応の「Amazon純正スマートプラグ」を用いて、離れた場所からこたつの電源を入れる事例を紹介していた。
この記事に対し、ツイッター上では使用方法に対する危険性や電気用品安全法違反を指摘する声が相次いでいた。
実際に「Amazon純正スマートプラグ」のAmazon販売ページには「電気用品安全法により、電気ストーブや電気コンロなどの電熱器を含む特定の電気用品は本製品に接続し音声等で遠隔操作することが禁じられています」と注意書きがある。
指摘を受け、ケータイWatchは27日10時40分に「お詫びとお知らせ」を記事中に追記。読者に対し、以下のように説明した。
「電気用品安全法では、スマートプラグでは、電熱器を含む特定の電気用品をつなぎ、音声でリモート操作することが禁じられております。従いまして、本誌以下の記事は、同じ宅内での利用とはいえ、禁止された行為に該当いたします。数多くのご指摘を皆様から頂戴いたしました。ありがとうございます」
「いったんは本記事の取り下げも検討いたしましたが、法的に禁じられる背景には、火災の危険性があります。本記事のような用途が危険であることをお伝えするため、以下の記事は、こたつで利用することをご紹介する場面に注意呼びかけの文を追記した上で、初出時のまま掲載いたします」
記事中には上記の他にも2か所「お詫びとお知らせ」が掲載され、いずれもスマートプラグを用いた電熱器を含む電気用品の使用が法律違反であることを伝えている。
20年10月には徳間書店(東京都品川区)のウェブメディア「&GP」が、同じくAmazonのスマートプラグをガスファンヒーターのオン・オフに使用する例を紹介したが、電気用品安全法違反を指摘され、謝罪している。