連合が来たる参議院選挙での支援政党を明示しないという方針を出しました。
「連合、参院選は支援政党を明示せず 共産との共闘候補は推薦もなし」(朝日新聞2022年1月21日)
これは連合路線が破綻し、労働組合ではなかったということの哀れな末路です。
連合内の旧同盟系は、これまでも会社に協力するため労働者を組織されてきたもので、ユニオンショップ制がなければ成り立ち得ない組織です。
それはひたすら会社の利益を擁護するための組織であり、組合員の利益を守る組織であはりません。そのようなことは現場の人たちはよくわかっていることでしょう。建前は会社と労働者の利害が一致しているから、となります。
旧同盟系は旧民社党と結びついていましたが、民社党自体は社会党を右から揺さぶる存在でしかなく、官公労系の総評との統合は労働組合の右翼的再編です。
2018年1月3日撮影
当初こそ自民党に変わる政権などと言っていましたが、今や自民党にすり寄る団体となりました。
「連合と岸田政権の接近は驚く話ではない 連合を労働組合として見るのはやめよう」
連合の結成経緯からすれば全く驚くに値しません。
この参議院選挙での支援政党を明示せずということと、共産党の支援を受ける候補は連合として支援しないというのは、連合の迷走であり、末路でもあります。
要は、連合として明示できなくなってしまったということでしかなく、組織内候補を守るということはもはや不可能になってきました。
「国民民主党の立憲民主党との政策協定拒否 生き残りの道はなくなった」
参議院の1人区も共産党を含めて候補者の一本化がなければ自民党には勝てませんし、一本化すれば勝てる選挙区も少なくありません。
それでもその一本化を拒否しようというのが連合です。
芳野友子会長は、共産党を排除せよという旧同盟系の組合に担がれた人物ですが、こうした政治姿勢は最初から見えていました。
連合の迷走ぶりですが、組織内候補を守るために究極の選択、自民党からの立候補もあり得るのかもしれません。
今や連合が自民党に代わる政権を目指す意味がなくなったのですから。
とはいえ労働組合としては自滅行為。政党に対して求心力を失うのも時間の問題です。