岸田文雄首相の施政方針演説など政府4演説に対する代表質問が2022年1月19日午後、衆院本会議で始まった。立憲民主党の泉健太代表がトップバッターに立ち、岸田氏が掲げる「新しい資本主義」に対抗する形で、「3つの分配」を提案した。
泉氏は、政府の政策を批判する従来の野党のスタイルに加えて、すでに立憲が提案している政策や提出済みの法案をアピールする場面も多かった。「問題点があればぜひご指摘ください」と呼びかける場面もあり、泉氏が取り組む「政策立案型」を印象づける狙いがあるとみられる。
「新しい資本主義」に対抗して「3つの分配」を提案
泉氏が代表質問に臨むのは21年12月8日に続いて2回目。本会議に先立って開かれた党の代議士会では、
「代表質問で改めて原稿を書いてみると、我々がすでに出してきた法案が数多くある。立憲民主党としての考え方は、すでに様々な点で示していることが多いということを改めて実感した。そういうことも皆様にお伝えしながら、政府に見解をただしていきたい」
などと意気込んでいた。
泉氏は代表質問で、岸田氏が掲げる「新しい資本主義」について、「その中身は依然不明なまま。来年度予算を見ても、これまでの政府のこれまでの政策の焼き直し」などと疑問視する一方で、「所得の再分配」「地方への分配」「将来への分配」の「3つの分配」を提案した。
「所得の再分配」では、給与を増やした企業の法人税を下げる「賃上げ税制」を政府が掲げていることについて
「約7割の企業は赤字経営。これでは法人税はゼロということになるので、賃上げ税制の対象外。インセンティブも働かない」
と実効性を疑問視し、直後に
「立憲民主党はこの点、中小企業が新たに正社員を増やした場合に、社会保険料、事業主負担の軽減を提案している。また、希望する非正規雇用の方々の正社員化を進めるための派遣法の見直しを行うべきと考える」
などと立憲の取り組みを紹介。岸田氏の見解を求めた。