DIGIDAYがいつも取り上げている業界にとって、2021年は決して静かな1年ではなかった。
今回は、現場で耳を傾けてきた米DIGIDAYの記者たちがポッドキャストを収録。Cookie終末への備え、メディアバイイングにおけるプラットフォームの影響力低減、着実に迫り来るオフィスへの復帰など、それぞれの持ち場で伝えてきた課題やトレンド、2022年も引き続き注視すべき事柄について語った。
本記事では、そのポッドキャストと、内容のサマリーを紹介する。
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ポッドキャストでは、以下のタイムスタンプを使えば、特定業界の会話を聞くことができる:
- メディアの1年を振り返る – 3:32
- 広告の1年を振り返る – 43:02
以下は会話の内容を要約し、読みやすく編集したものだ。
パブリッシャーのCookie後の戦略が少し明確に
Max Willens、調査、特集担当シニアエディター:
「2021年、調査パネルと綿密に追跡してきた事柄のひとつが、Cookieに関するパブリッシャーの備えと考え方だ。多くのパブリッシャーが取り組んでいる主な問題は、どうすればこの状況を自分たちにとって可能な限り(最高に)上手く機能させられるかだ。パブリッシャーはCookieの世界を嫌っていた。なぜなら基本的に、パブリッシャーをプロセスから大胆に中抜きし、得られるものを得ることを強いる世界だからだ。それが突然、すべてのパブリッシャーではなく選ばれた一部だけではあるが、堂々と真顔で言うことができるようになった。『私たちには大きなオーディエンスがいて、そのオーディエンスの興味深い情報やインサイトを持っている。私たちのプロパティだけでなく他の場所でも、彼らがどのように行動しているかをかなり把握している。メッセージを送るだけでなく、商品を直接購入してもらったり、実際に会ったりと、彼らにリーチするための手助けがほしければ、私たちにはその手助けができる』と」。
「彼らの一部にとっては大きな変化であり、大きなチャンスだが、全体的には、パブリッシャーにとって大きな勝利になるという確信はまだあまりないと考えられる。もしかしたら少し確信しているかもしれないが、大きな確信はないはずだ。資金の大部分はやはり、GoogleとFacebookに向かうことになるだろう」。
現代のニュースルームが直面する課題
Sara Guaglione、メディアレポーター:
「私は今後、現代のニュースルーム(や)従業員アクティビズムとでも呼ぶべきものにこれまで以上に注目したいと考えている。メディア企業で組合の活動が盛んになっているからだ。多くの場合、彼らは安心できる職場、ワークライフバランスが取れた幸せな職場について率直に発言している。このテーマについては、従業員と経営陣のあいだでさまざまな駆け引きが行われており、今後も業界の大きな争点になると考えられる。人々をどのようにオフィスに戻すべきか、(あるいは)そもそもオフィスに戻す必要があるのか、さらに健康、安全対策などについて、どうすれば組合からの大きな反発なくスムーズに進められるかについて、企業は今、答えを見つけ出そうとしている」。
Appleの黒幕としての地位がモバイル広告戦略を変える
Seb Joseph、シニアニュースエディター:
「まず、SnapchatはAR(拡張現実)を使ったコマースに力を入れている。ヨーロッパ担当GMにインタビューしてわかったことだが、その背景には、ARを使ったコマースでアプリ内売上が増えれば増えるほど、AppleやGoogleの識別子を使うことなく、広告主に広告費の効果を示しやすくなるという考えがある」。
「つまり、ここからわかることは、今のAppleがいかに広告への影響力を持っているかだ。2017年以降、(Appleは)プライバシーの名のもと、広告主がエコシステムにアクセスできる範囲を着実に狭めてきた。まず、ITP(Intelligent Tracking Prevention)を導入し、ブラウザ内でサードパーティCookieによる追跡を制限した。現在、AT&Tが自社のデバイスで同じことを行っており、将来的には、IPアドレスやメールアドレスでも同じことが行われる見通しだ。業界の黒幕としてのAppleの役割は大きなテーマだと思われる」。
エージェンシーは今も、過去の手法から大きな影響を受けている
Michael Bürgi、メディアバイイング、プランニング担当シニアエディター:
「エージェンシーは数年前から影響を感じていたため、すでに(デジタルメディアとウォールドガーデンの融合に)対応していると考えられる。また、彼らがそれまでの投資型ビジネスから意図的に脱却し、コンサルティング型の仕事を強化しているのもそのためだろう」。
「そして、クライアントは内製化を進めている。しかし、持ち株会社が所有するメディアエージェンシーネットワークの関係者と話してわかったことだが、これらすべての一要素として、最高投資責任者の大部分は依然として、伝統的なメディアの出身者だという事実がある。この事実は(メディアを購入する)方法やクライアントのために何を購入するかに影響を与える。これは多くの人が思っている以上に、マーケターの費用がどこに投じられるかに影響を与えると考えられる」。
KAYLEIGH BARBER(翻訳:米井香織/ガリレオ、編集:長田真)