任天堂の大人気ゲームハード「ゲームボーイ」「ゲームボーイカラー」「ゲームボーイアドバンス」「ニンテンドーDSi」「Nintendo Switch」のCTスキャン画像が、レゴやAirPodsのCTスキャン画像を公開してきた「Scan of the Month」で公開されていたので、まとめてみました。
Scan of the Month – Game Boy Compendium
https://scanofthemonth.com/
◆ゲームボーイ
ゲームボーイは1989年に登場した携帯ゲーム機で、日本では1242万台販売されアメリカでは1800万台販売されました。近年でもビットコインのマイニングマシーンとして用いられたり、Wi-Fi機能を追加する試みが実行されたりと、根強い人気があります。
そんなゲームボーイのCTスキャン画像はこんな感じ。液晶の奥の配線や、右下に配置されたスピーカーなどが見えます。
赤枠部分は十字キーの断面図です。中央の半球状の部分が支点となっており、上下左右の位置にはシリコンパッドが搭載されています。
ゲームボーイのCPUはIntel 8080に近い機能を持つシャープ製の「LR35902」です。LR35902の動作クロックは4MHzで、ゲームボーイの登場時点で「10年前のテクノロジー」だったとのこと。ゲームボーイは「枯れた技術の水平思考」の思想で設計されており、当時としては少し古い技術を使うことで価格が抑えられ、開発者の学習コストも低く抑えられています。
ゲームボーイは通信ケーブルを用いることで2人プレイが可能でした。この通信ケーブルコネクタの形状はFireWireコネクタの開発に大きな影響を与えたとされています。
◆ゲームボーイカラー
ゲームボーイカラーは1998年に発売されたカラー液晶搭載ゲーム機です。ゲームボーイカラーはゲームボーイと合わせて1億2000万台販売されています。
ゲームボーイとゲームボーイカラーの外見はボタンやスピーカー、液晶モニターの配置がソックリで、CTスキャン画像もかなり似ています。
以下の赤枠部分は、ゲームカートリッジを挿入した際にカートリッジとPCB基板を接触させる役割を果たしています。
しかし、液晶モニターのカラー化以外にも変更点は多く存在しています。例えば、A・Bボタンの周りには導電性カーボンが使われており、ボタンの押し心地と高い接続性を両立することに成功しています。
◆ゲームボーイアドバンス
ゲームボーイアドバンスは2001年に登場した携帯ゲーム機です。ゲームボーイやゲームボーイカラーには8bitのCPUが搭載されていましたが、ゲームボーイアドバンスには32bitのCPUが搭載されて処理能力が一気に向上しました。
ゲームボーイアドバンスにはL・Rトリガーが搭載されたことも大きな変化です。L・Rトリガーはプラスチックと金属の部品で構成されており、ゲームボーイの十字ボタンと比べて複雑な構造となっています。
A・Bボタンには大きな変更は施されていないものの、押下時に不要な回転を防ぐ機構が追加されました。
◆ニンテンドーDSi
ニンテンドーDSiは2004年登場の「ニンテンドーDS」や2006年登場の「ニンテンドーDS Lite」の後継機種として2008年に登場しました。折り畳み式で2画面構成という基本的な構成はそのままですが、さらにカメラが追加で搭載されています。
CTスキャン画像で確認すると、中空のヒンジ部分に四角いカメラモジュールや配線が埋め込まれていることが分かります。
十字キーはクリック感のあるドームスイッチが採用されており、ゲームボーイでは10mmだった高さが4mmにまで抑えられています。
◆Nintendo Switch
2017年に登場したNintendo SwitchにはSoCとしてNVIDIAの「Tegra」が採用されており、据え置きゲーム機としても携帯ゲーム機としても遊べることを特徴としています。
CTスキャン画像をみると、ニンテンドーDSiやゲームボーイシリーズと比べて圧倒的に部品の密度が高いことが分かります。
Nintendo Switchに搭載されたTegraは10Wで動作する省電力チップですが、それでも冷却のためにファンが必要です。普段のプレイではファンの存在を意識することは少ないですが、Nintendo SwitchのCTスキャン画像を確認すると熱をファンに伝えるためのヒートパイプや小型のファンが搭載されていることが分かります。
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