初体験のVRフェスで「メタバース」の意味がわかりました:2021年、価値観を変えられたイベント

GIZMODO

2021年=わたし的“メタバース”元年。

ポーター・ロビンソン主催によるオンラインフェス「Secret Sky」が4月に開催。VRヘッドセットを使って参加したこのVRフェス体験が、2021年でいちばん影響を受け、価値観を変えられたイベントでした。

2020年「Secret Sky」後にポーターに取材したとき、彼が当時からハマっていた「VRChat」について楽しそうに話していたのが本当に印象的で。2021年「Secret Sky」直前に改めて取材したら「今年はどうしても僕の大好きなVRの世界を入れたかった。ついに実現できたんだよ!」と言っていたので、なんとしてもVRで見なければ……と、編集部のVRヘッドセットを借りて楽しみにしていました。

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Video: Active Theory / YouTube
VRワールドを制作したチームによるダイジェスト映像。参加者とは違うドローン的な視点はあるものの、こんな感じの世界観でした。

VRヘッドセットから「Secret Sky」会場にアクセスし、スタート地点の洞窟をくぐり抜け、小高い丘がある広大なフィールドに出ると、気分はもう苗場の野外フェスでのそれ…。フィールド正面におっきなスクリーンがあってパフォーマンスが映し出されているところも、現実のフェスそのもの。とはいえ、パフォーマンス映像が写るキューブが散りばめられた空間にワープできるなど、VRならではの演出も。

フィールド内のおっきなツリーの上に登ってフェスを締めくくる花火を見てたのですが、VRならではの体験(=巨木に登る)と、現実のフェスで最高潮に感動する瞬間(=締めの花火)が相まって、大感動&大号泣。

GIF: トダサチコ
画像荒くてごめんなさいですが、VRヘッドセットで見たときの没入感はまじで凄まじかったです。
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Video: Porter Robinson / YouTube

2020年以降いくつもオンラインライブを見てきましたが、これはちょっと別次元の体験でした。没入感が強いので、「ライブを観る」というより「ライブを体感している」という感覚。VRフェスには、肌に伝わるベース音の振動、風や香りや湿度など、身体性に訴える要素は存在しないですが、「Secret Sky」の体験で「VRフェスは、現実のフェスの代替や下位互換ではない」ことに、身をもって気づきました。言葉的には“VR=バーチャルリアリティ(仮想現実)”ですが、メタバースは仮想空間であって、新しい世界なんだなぁ、と。

ちなみに、じつはわたしはこのとき「Secret Sky」がほぼVR初体験。Oculus Quest2(現Meta Quest2)が発売になったときに瞑想アプリで遊んだ程度しかVRコンテンツにふれる機会がなく、ギズモードで“メタバース”なるワードが入った特集が組まれていた時期に、たぶん本当の意味ではわかっていませんでした。

個人的にゲームより音楽のほうが親和性が高いので、「Secret Sky」をはじめ、「VRChat」内のクラブ「Ghost Club」や、サンリオのVR音楽フェス「SANRIO Virtual Fes」などの音楽メタバースを通して、やっとみんなが言っていたメタバースへの期待感を実際に体感し、理解することができたのでした。

そんなわけで、2021年は、TouchDesignerのワークショップ取材にいったり、映画『マトリックス』を起点としたメタバースにまつわる鼎談をつなげたり、VRコンテンツの制作に携わったりできて、わたし的“メタバース”元年でした。