精子提供を受け出産した女性が、相手に約3億3000万円の損害賠償を求めて提訴したことが話題となっている。
【映像】26歳にして40人以上の”父親”に…結婚後も精子提供ボランティア
女性は既婚者で、夫に遺伝性の病気の可能性があることがわかったため、Twitter上で知り合った男性との性交渉により精子提供を受け妊娠。ただ、“京大卒の日本人で未婚”と主張していた男性が、実際は別の国立大学を卒業した中国籍で既婚者だったため、精神的苦痛を受けたとして提訴。生まれた子どもは現在、児童福祉施設に預けられているという。
28日の『ABEMA Prime』に出演した医師・弁護士でもある米山隆一衆議院議員は「婚外子で、かつ、ある種の約束をした上でのことなので、債務不履行や養育費の請求といったことで裁ける問題ではあると思うし、“浮気で子どもができた”という範疇で区分けをすることもできると思う。ただ、いくらひどい目に遭ったとはいえ、3億3000万円の損害賠償額というのはどうなのだろうか。生涯、養育費を払うのか、それとも18歳までなのか、また、SNSでこうしたトラブルが起きた場合について、ある種の基準を作ることも必要なのだろうが、線引きは非常に難しい」とコメント。
一方、実業家のハヤカワ五味氏は「相手のスペックで考えてしまうことも残念だが、一番不幸なのは、施設に預けられた子どもだということは忘れてはいけないと思う。一方で、男性が無精子症でなければ女性はオフィシャルには精子提供が受けられないということも、こういうことが起こってしまう背景にはあると思う。同性カップルなど、さまざまな方がいるので、もう少し広く精子提供を受けられるようになってもいいと思う」と指摘した。
慶應義塾大学の若新雄純特任准教授は「どんな個人間の約束でも、破られたことに対しては怒る自由がある。ただ、それと生まれてきた子どもを施設に預けるというのは話が違うと思う。もちろん嘘をついた男性にも責任があるとは思うが、そういう可能性がゼロではないSNSを使うのではなく、相手の身分がきちんと保証されるような施設や機関を使うべきだったのではないか。子どもは欲しい、でも約束が違ったから育てないというのは、この女性のわがままではないか。精子提供でのトラブルはいえ、“男女のいざこざ“であるとも言えるし、身勝手だ」と厳しく批判。
米山氏は「この子が将来、京大に行くこともあるかもしれないしね」と話していた。(『ABEMA Prime』より)