インターネットは第3フェーズへ。
ネットの世界は止まることを知りません。かつてさんざん耳にした「Web 2.0」からさらに進化を続け、今から来るのは「Web 3.0」の世界。Web 3.0ってなーに? 米Giz編集部が解説してくれました!
ここ数カ月の間で、「Web 3.0/ Web 3」という言葉を急に耳にし始めたなと思っている人、少なくないのでは。まさに今、インターネットは第3フェーズに入ろうとしています。Web 3.0とは何なのか…? それはですね…まだハッキリわからないんです。暗号通貨、NFTなどが含まれるのは当然ですが、今はまだ初期段階にあり、「こうです!」と明確に言える段階ではないというのが正直なところ。なので、Web 3はこうだという解説よりも、Web 3.0ってこんな感じになりそうねという話をしたいと思います。
まずは復習から。Web 1.0は簡単に言うとウェブサイト、ウェブページの時代。情報をインターネットに表示することができるWWW(ワールドワイドウェブ)の世界の一端に、個人の趣味や興味のページを作ることができるようになったという時代。まだまだテキストが主流で、画像は重いと避けられていました。動画なんてもってのほかです。
次にやってきたのがWeb 2.0。よりダイナミックにユーザーが自由にインターネットを使えるようになりました。ウェブサイトはよりインタラクティブになり、アプリ的サービス(Gメールなど)の展開も進みました。ソーシャルメディアやブログが台頭し、画像や動画もアップし放題。多くの人がさまざまなコンテンツを「シェア」するようになった時代です。そして、今、その先にあるのがWeb 3/ Web 3.0です。
Web 3.0の定義はまだ割れていますが、その基本にあるのは分散型の時代だということ。Web 3.0の鍵となる暗号通貨でも見られますが、巨大テック企業5社GAFAM(Google・Amazon・Facebook・Apple・Microsoft)に力が集中せず、よりインターネットが民主化されていく時代だと考えられます。FacebookがMetaになったから、GAMAMになるのね…?
Web 3 offers a new way that combines the best aspects of the previous eras. It’s very early in this movement and a great time to get involved.
— cdixon.eth (@cdixon) September 26, 2021
アメリカの投資家、クリス・ディクソン氏はこのようにツイートしています。
「Web 3以前は、ユーザー・ビルダーは制限付き機能のWeb 1か権力集中型企業提供のWeb 2かどちらかを選ばねばならなかった。Web 3では、今までの時代のいい点だけをまとめた新たな道が開かれる。まだまだ新しい動きだけど、今のうちに参加しておくのが吉」
力分散の鍵となるのはブロックチェーン技術。誰でもどこからでもアクセス可能で、公にオープンかつ証明可能の帳台を作り出すことができるからです。ブロックチェーンはビットコインをはじめとする多くの暗号通貨ですでに使われており、Web 3.0の未来を紡いでいます。ネットショッピングでもSNSでもより確実で安全なプロセスで行い、プライバシー性を高め透明性も持たせるというのがブロックチェーンが作るWeb 3.0の概念です。
ある意味、今まで経てきたふたつの時代、Web1とWeb2をミックスしたのがWeb 3.0といっていいかと。よりダイナミックに現代のアプリ的サービスを使いつつも、大企業が占領するようにのしてきたWeb2以前の権力分散型で、ユーザーが自由にインターネットを使う時代、それがWeb 3.0。つまり、Web2の企業権力からWeb1の個人へと力がシフトしていきつつも、情報のインタラクティブ性はWeb2のままだよという世界です…少なくともWeb 3.0の概念としてはそうです。
すでにユーザーが報酬としてトークンを受け取ることができる仕組みが確立されてきていますが、Web 3.0ではそれが一層強まり、さまざまなネットアクティビティで使えるようになっていくのでしょう。さらにインターネットが生み出した価値は、一部の人間だけでなくもっと多くの企業・個人で共有されていくようになります。
NFTはWeb 3.0の全体像を掴むのに非常にいい例。アートや音楽、ファッションなど、NFTブームでさまざまなものが出てきています。NFT、暗号通貨、Web 3.0の根幹にあるのがブロックチェーン。で、今最もブロックチェーンを活用しているのが暗号通貨のEthereum=イーサリアム。
Web 3.0ってなーに?という解説のくせに、ちっとも話がわからない!という人、安心してください。まだそういうもんなんです、まだまだそれくらいのところにWeb 3.0はあるんです。1990年にインターネットの話をしても、多くの人が「…?」となったのと同じこと。一般的にWeb 3.0を肌で感じ、感覚として理解するようになるのはもうちょっと先のこと。
暗号通貨には電力消費量が大きいという環境的懸念があり、暗号通貨やNFT含むWeb 3.0すべてはお金持ちがますますお金持ちになるだけではないかというリスクがあり、まだまだ現段階では課題もたっぷり。とりあえず今日は「Web 3.0は今まで以上に速いスピードで普及し浸透していく」ということだけ覚えておいてください。気がつけばそれが当たり前の世界になっているから、今のうちから「来るぞ」って心構えはしておこうねという話であり、今がまさに心構えをするに適した時期かもというお話。