Microsoftが年間サブスクリプションを利用しない場合のOffice価格を20%値上げへ

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Microsoftがパートナー企業に対し、「年ごとではなく月ごとの支払いを行うOfficeスイートの顧客は価格が20%上がる」と伝えたことがわかりました。Microsoftは収益の大半を一般消費者ではなくビジネス顧客から得ており、今回の値上げはOfficeのビジネス顧客を年間サブスクリプションに移行させることが目的だとみられています。

Microsoft will charge more for Office customers paying month to month
https://www.cnbc.com/2021/12/06/microsoft-will-charge-more-for-office-customers-paying-month-to-month.html

Microsoft Office 365 price increases are upsetting companies, says report | Windows Central
https://www.windowscentral.com/microsoft-office-365-price-increases-are-upsetting-companies-says-report

CNBCによると、Microsoftは2022年に「New Commerce Experience for Office」という新たなプログラムを開始し、年間サブスクリプションを利用しない顧客に対してOfficeスイートの価格を20%上げる予定であるとのこと。Microsoftはビジネス顧客を多く持っており、この情報はすでにパートナー企業に伝わっています。パートナー企業の1つである、セキュリティ・コンサルティング企業「Intivix」の共同創設者Rob Schenk氏は値上げについてクライアントに伝えたところ、一部から「気に入らない」と声が上がったと述べています。

また値上げについては反対の声が多く上がっており、オンライン嘆願書の「Change.org」では、記事作成時点で1400人以上が値上げ反対の嘆願書に署名を行っています。

キャンペーン · Petition for Microsoft to revoke the 20% price increase on monthly Microsoft 365 products · Change.org
https://www.change.org/p/microsoft-petition-for-microsoft-to-revoke-the-20-price-increase-on-monthly-microsoft-365-products


具体的な値上げ後の価格は不明。またCNBCが入手した内部文書によると、契約期間の途中でOfficeが必要ないと判断した場合でも、年間サブスクリプションを月間サブスクリプションに切り替えることはできず、年間サブスクリプション料金を全額支払う必要があるとのこと。

CNBCがMicrosoftに連絡を取ったところ、広報担当者から「Microsoftはパートナーの多様なニーズに合わせて柔軟な購入オプションを提供しており、パートナー向けの価格アプローチやプレミアムに関する情報を一般に公開していません」「新しいプログラムは月額オプションを提供しており、これはパートナーがそのクライアントに特別価格で柔軟性をもって製品を提供可能にするものです」と返答があったそうです。なお、これまでもMicrosoftは月単位のサブスクリプションを公式に提供していませんが、慣習的に、顧客は月々の利用者数を調整することが可能だったとのこと。このためパンデミックで人員が不安定な状態だった企業は非常に重宝したそうです。

Microsoftのパートナーである通信事業者・Nortec CommunicationsのヴァイスプレジデントであるGeorge Hammerschmidt氏は、値上げよりもサブスクリプションの単位を縮小できないことが顧客にとって大きな問題だと指摘しました。

Microsoftは2021年8月に「Microsoft 365」の値上げを発表しており、「New Commerce Experience for Office」による値上げはそれに続くもの。もともとMicrosoftは2021年10月に「New Commerce Experience for Office」を実装する予定でしたが、混乱を受けて2022年1月まで実装が延期されています。

「Microsoft 365」が2022年3月に値上げ予定、その対象プランとは? – GIGAZINE


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