DXの重要性が叫ばれて久しいものの、依然としてDX人材の不足や、推進のための膨大なコストといった課題を抱えている企業は多い。中長期的なDX化を実現する上でも、一過性なもので終わらせず、いかに自社内、自部門内でDX業務を完結させられるかが重要なテーマとなっている。
マット、モップなどの掃除用品をはじめ、ハウスクリーニング・家事代行・害虫獣駆除・庭木のお手入れサービスといった事業を展開し、衛生で快適な環境づくりを目指す株式会社ダスキンも同様の課題を抱えていた。ダスキンの訪販グループ 戦略本部 戦略部 Webチャネル開発室室長である冨田昭博氏によると、同社が運営する会員サイトである「DDuet(ディーデュエット)」のCVR向上を図るために、顧客の購買・行動データを利用したコミュニケーション施策を実施していたが、データの集計や抽出に要する作業工数が多く、施策実施までのスピードが上がらないことがボトルネックになっていたという。
この状況を改善したのが、データマーケティングツールの「b→dash(ビーダッシュ)」だった。「b→dashの導入によって、自部門内でデータ関連業務を完結することができ、メールやweb接客の施策を企画してから実施まで1〜2日という高速化を実現した」とし、冨田氏は続ける。「導入前と比較してCVRは約15%改善している」。
ダスキンはどのような視点でツール選定を行い、どのように活用することでDXのインハウス化によるPDCAサイクルの高速化と大幅なKPIの改善に成功したのか。本記事では冨田氏へのインタビューから紐解いていく。
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- ――実店舗やECなど、顧客とのタッチポイントにもさまざまな形がありますが、多様な事業を展開するダスキンではどのような取り組みをおこなっていたのでしょうか?
- ――変化の早い顧客ニーズやトレンドに対応するためには、PDCAサイクルの高速化が不可欠ですね。具体的にはどのようにして作業工数の低減を図ろうと考えたのでしょうか?
- ――自部門だけでデータマーケティングを完結するにあたり、b→dashのどのような機能が貢献しているのでしょうか?
- ――現在はどのような施策を実施され、どの程度のKPI改善を実現できたのでしょうか?
- ――DXを推進している企業がデータマーケティングツールを検討する場合は、どのような点を意識すべきでしょうか?
――実店舗やECなど、顧客とのタッチポイントにもさまざまな形がありますが、多様な事業を展開するダスキンではどのような取り組みをおこなっていたのでしょうか?
私が所属している部署では、Web上での顧客コミュニケーションの場として「DDuet」という会員サイトを運営しています。商品・サービス情報に加え、お楽しみコンテンツなどをお客様に提供しているのですが、この会員サイトのCVRを向上させるために、過去の購買履歴やサイトの行動履歴に応じたおすすめ商品を、メールやWeb接客を用いてご案内したいと考えていました。
たとえば、サイトでエアコンクリーニングサービスページを閲覧したが、注文に至らずサイトを離脱しようとしたお客様に対して、ポップアップでエアコンクリーニングサービスの魅力をお伝えするといった施策や、台所用洗剤のような定期購入につなげたい商品については、商品を使い切るであろうタイミングの少し前に商品訴求やキャンペーンに関連する内容のメールをお送りする、といった施策です。
ただ、これらの施策を実施するには、お客様ごとの購買履歴データや行動履歴データを利用して、細分化したセグメンテーションデータを作成する必要があります。しかし、このセグメンテーション作業を手動で行うとなると、データの集計や抽出などの作業時間が膨大に必要となってしまいます。そこで、この作業工数を少しでも低減させ、施策実施のスピードをあげることができないかと考え、マーケティングオートメーション(MA)ツールの導入を検討しました。
――変化の早い顧客ニーズやトレンドに対応するためには、PDCAサイクルの高速化が不可欠ですね。具体的にはどのようにして作業工数の低減を図ろうと考えたのでしょうか?
マーケティング施策を実施するにあたり、データの準備作業をいかに簡単にできるか、という点を重視しました。セグメンテーションの細分化を行おうとすると、顧客データや受注データ、商品データ、Webサイト上の行動情報といった多様なデータを集約、統合する必要があります。
一般的にこうしたデータ統合の作業を行うにはSQLの知識が求められるため、社内エンジニアへの依頼、もしくは社外システムベンダーへの発注が必要になってしまいます。そのため、施策に必要なデータができるまでに数日かかってしまい、実施までのスピードが落ちてしまうことが想定されました。そこで、セグメンテーション設定の作業をシステム部門に頼らず、自部門だけでできるツールかどうかを軸に、複数のツールを比較検討しました。
――自部門だけでデータマーケティングを完結するにあたり、b→dashのどのような機能が貢献しているのでしょうか?
b→dashには、「Data Palette(データパレット)」というデータの加工/統合を行う機能があるのですが、このData Paletteを活用すると、SQLの知識がないメンバーでもデータ加工/統合が可能です。そのため、施策実施のスピードを上げるうえでボトルネックとなっていた、社内システム部門への依頼や社外システムベンダーへの発注が不要になります。
また、我々が想定していた施策を実現するには、データ加工/統合の機能だけでなく、メール配信やWeb接客の機能も必要でしたが、b→dashはData Paletteに加えて、メール/MA、Web接客といったすべての機能をAll in Oneで提供しています。これにより、必要な機能ごとに複数のツールを導入したり、ツール間でデータ連携を行う必要がなく、運用負担が少ない点も魅力ですね。
――現在はどのような施策を実施され、どの程度のKPI改善を実現できたのでしょうか?
カゴ落ち商品メール、リピート訴求メール、誕生日メールなどさまざまなメール施策を実施しています。各施策に必要なデータは、b→dashの画面上のボタンのクリックのみで誰でも簡単に作成できるので、導入当初の想定通り自部門内でデータ準備作業が完結し、施策を企画してから実施まで1〜2日程度で完結できています。
また、メール施策だけではなく、おすすめ商品をサイト上でポップアップ表示するWeb接客施策や、商品別にリピート購入率を可視化するといったデータ分析についても、 b→dash上の統合データを用いることで容易に実現できています。
このような施策を実施した結果、月や商材によって数字の差異はありますが、b→dash導入前と比較してCVRを約15%程度改善させることができました。
――DXを推進している企業がデータマーケティングツールを検討する場合は、どのような点を意識すべきでしょうか?
データマーケティングツールを活用して分析や施策を実施する際は、社内のデータをいかに簡単に加工/統合できるかという点が重要です。データの準備作業は、初期構築時はもちろんですが、ツールの運用開始後に当初は想定していなかった施策や分析を追加で実施する、となった場合にも発生します。その都度、社内エンジニアや社外システムベンダーに依頼するとなると、新たな施策や分析を実施すればするほど、膨大なコストやリソースを費やすことになってしまいます。
その点、b→dashであれば、エンジニアやベンダーへ依頼せずとも、ノーコードかつSQL不要でデータを準備できるため自部門内でデータ準備ができ、施策実施の準備にかかる時間が圧倒的に短縮可能です。そのため、分析や施策をどんどん実施し、改善のPDCAを高速で回して自社のKPIを改善していきたい、それをインハウスでやりたいという会社にはb→dashはおすすめだと思います。
また、マーケティング担当者であれば施策や分析を実施するにあたって、どういった施策がKPI向上につながるのか、どういった分析から示唆が得られるか、といったように「そもそも何をするべきなのか」迷うこともあるかと思います。その際に、b→dashのカスタマーサクセス担当の方は、ツールの使用方法だけでなく、どのような施策や分析をするかのアドバイスや相談まで実施していただけるので、ツールベンダーと深くコミュニケーションを取って二人三脚でマーケティング施策を推進したいという企業にとってもb→dashはおすすめできると考えています。
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