たったいま、今回のガチ検証を終えた私、P.K.サンジュンの心境を素直に申し上げるならば「なぜこんなことになってしまったのか?」というものになる。これまでも過酷なロケを敢行してきたが『ペヤング 幸楽苑ペタマックス味噌野菜うどん』は紛れもなく強敵であった。
そう、今回の相手は馬鹿ほどのボリュームで知られるペヤングのペタマックス──。私の心が折れるのが先か、それともペタマックスが食われるのが先か? 6時間51分に及ぶ死闘の全貌をご覧いただきたい。
・リベンジを果たすとき
まずはサクッと商品紹介をしておこう。『ペヤング 幸楽苑ペタマックス味噌野菜うどん』は2021年11月1日から発売されている商品で、メーカー希望小売価格は税別980円。ペタマックスシリーズとしては6月の「ペヤング 超超超超超超大盛ペタマックス醤油ラーメン」以来、およそ半年ぶりの商品となる。
あの時は絶食してからチャレンジしたものの、結果はあえなく惨敗。今回も総カロリーは2746kcal、お湯だけでも2800mlが必要な “モンスターカップうどん” である。というか、フードファイター以外は1人で食べ切れないであろう圧倒的なボリュームだ。
・食べ切るまでやめねえ
だがしかし、私には秘策があった。それはズバリ「持久戦」──。1度で食べ切れなくても、1日かければ何とかなるのではあるまいか? モンスター級とはいえ所詮カップうどん。少しずつ食べ進めれば、いつかはこの世から姿を消すハズだ。
というわけで、出社直後の10時から準備を開始し、10時半から検証開始! アツアツの熱湯を2800mlも用意するのだって楽ではないのだ。で、久しぶりのペタマックスとご対面すると……
やっぱバカだな、ペヤング。
そこにあったのは「インスタントうどん × 5」──。というか、誰の食欲が湧くんだよ、コレ。初めから心を折る気満々じゃねえか。だが俺は負けん……! ペタマックスよ、俺の前に平伏すがイイ。
・スタートダッシュをかます
というわけで、完成したペタマックス味噌野菜うどんをガツガツ喰らっていく。持久戦とはいえ「最初にある程度は削っておきたい」と考えるのは作戦のうちだ。味は予想通りの「味噌味のうどん」で、やはり出来立てはそれなりにウマい。
……が、開始5分で早くも満腹に。そりゃそうだ、むしろ5分もうどんを食べ続けた俺を誉めて欲しい。お腹の満腹度で計算するならば、おそらくうどん2個分くらいはやっつけているハズだ。
あとは残りをデスクに運び、仕事をしながらひたすら食べ続けていくだけ。温かいうちに食べ切ってやる……と思っていたのだが。
60分後──。
全然減ってないやないかッ!!!!
なんということだろう? チビリチビリとは食べ進めていただものの、食べるスピードよりも麺が汁を吸う速度の方が上回ってしまったようで、視覚的には完全にふりだしに戻っている。ヤバい、絶望しかない。
さらに言うと、ぬるいスープもマズければ、スープを吸い過ぎた麺もブヨブヨで食えたもんではない。完成直後は普通に美味しい「味噌味のうどん」であったが、今ではかろうじて「うどんの形をした何か」の形状を保っているだけだ。
・悲しい記憶
食べても食べても減らないうどん。何度食べてもマズいうどん。私は小学低学年の頃「給食が食べられないコ」で、毎日のように放課後まで1人給食を食べ続けていた。なんかあの頃の悲しい記憶が蘇ってきちゃったよ──。
が、サンちゃんももう大人である。これまで何度もピンチを乗り越えてきただろ、サンジュン。ここはパワーで現状を打破するんだ。というわけで、まずはスープを全捨て。これ以上うどんが膨張しないよう、最低限の手を打った。
で、仕事がひと段落したところで汁を吸いまくったうどんを超アレンジ! この時点でスタートからおよそ3時間半、うどんは完全に冷めてしまっている。さらに言えばうどんとして食べると激マズなので、全く別の料理に生まれ変わらせたい。
・お好み焼きになるハズが
イメージしたのは「お好み焼き」で、カリッと食感が加わればまた美味しく食べられるのではないか? うどんもお好み焼きも主成分は小麦粉。というわけで、フライパンに油をひき、大量のうどんを焼いていった……のだが。
ブヨブヨのうどんはちぎれやすく、さらに言えば目論見通りカリカリにならない。焦げないようフライパンをかき混ぜ続けた結果……
得体の知れない食べ物が出来てしまった。
想像していたものとは全く違うし、ビジュアル的には1ミリも「美味しそうだな☆」とは思えない。あえて名付けるなら「炭水化物の怨念」とでも言おうか? それくらいのおどろおどろしさはある食べ物だ。
……が、意外なことに味はさほど悪くない。ゆるいきりたんぽ、もしくは「お好み焼きの中身」といった感じで、よく言えばモチモチした食感が良好だ。「田舎の郷土料理」と言われれば信じてしまう人もいることだろう。
いつだって視覚に入る「炭水化物の怨念」を意識しつつ食べ進めること数時間。この時点でスタートから5時間が経過していた。時には満腹を解消するため、あえて1時間ほど何も口にしない時間もあったが、ついに最終兵器を使用するときが来たようだ。
それは、岩下の新生姜。味も口当たりも もっさりとした「炭水化物の怨念」を浄化してくれるのは岩下の新生姜しか考えられない。岩下の新生姜パワーは絶大で、徐々に怨念も減っていく。というか、岩下の新生姜は完全に神が作りし食べ物でしかない。
あとは気合いと水による流し込みで一気に勝負をつける! 結果、食べ始めてから6時間51分で『ペヤング 幸楽苑ペタマックス味噌野菜うどん』は私の前から姿を消した。なんかこの水で流し込むのも給食が食べられなかった頃を思い出しちゃったなぁ……。
勝負を終えて、私の心は満足感であふれていた……ということもなく、ただ「ようやく終わった」という徒労感に満ちていた。ここまでしないと食べ切れない『ペヤング 幸楽苑ペタマックス味噌野菜うどん』は何のつもりなのか?
というか、マズくはないにせよ「おいしくはない食べ物」で腹を満たす行為自体が私にとっては罰ゲームに等しい。最後にペヤングに一言申し上げてこの記事を終わらせることにしよう。ペヤングさ……。
普通のサイズで出せよ。
──完──