「お母さんのスマホな、写真を撮ったらすぐに消さなアカンねん」
オカン(65)がiPhoneを操作しながら上のように言ったとき、私はイヤな予感しかしなかった。そこで、私が「ちょっとスマホ見せて」と言ったら……! 結果的に衝撃を受けたので紹介したい。
お察しのように、これは私の身内の話。それでも取り上げるのは、同じような勘違いをしている人が意外と多い気がするからだ。
そう、それは勘違い。はかなくも切ない勘違いである。どんなものかというと……。あの日の会話を再現してみよう。
私「なんでスマホの写真を消さなアカンの?」
オカン「ソフトバンクからデータがいっぱいやっていうメール来んねん」
私「マジで? ちょっとスマホ見せて。え? 容量自体はめっちゃ余裕あるやん。まだ70%くらい残ってるで」
オカン「でもソフトバンクからメール来んねん」
私「どんなメール?」
オカン「これ」
──すでに多くの読者はお気づきだろう。私のオカンは、スマホの中に保存できる『データ量』と『データ通信容量』を混同していたのだ。なので、ソフトバンクから「毎月の通信量を越えましたよ」的なSMSが来るたびに、オカンはせっせと写真を消しまくっていたという。
・実は文面が結構ややこしい
それにしても、SMSの文面をよく見ると結構ややこしい。なにせ、「データ容量が超過しました」である。日頃からスマホの扱いに慣れた人なら何の問題もないだろうが、不慣れな人なら「スマホ内の写真や動画がパンパンなんだな」と取っても不思議ではないように思う。
ちなみに、オカンは毎月のようにソフトバンクから超過のメールを受け取っていながらも、マジで大切な写真だけは死守してきたという。それだけはオカンのファインプレーだが、もし泣く泣く削除していたら……元々がただの勘違いだけに、切ないを通り越してゾッとする。
というわけで、私のオカンはなんとか大切な思い出を削除せずに済んだものの、あなたのお父さんやお母さんも似たような勘違いをしているかもしれない。
コロナでなかなか帰省できなかった人も多いだろうから、久しぶりに会えたときはそのあたりも聞いてみてはいかがだろうか。今ならまだ笑い話で済む……かもしれないぞ。
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.