最近どう? みんなマリトッツォしてる?
今年の流行語になるであろうマリトッツォというスイーツ。パン生地の間に生クリームがこれでもかと入っている。
コンビニで見かけたときには「生クリーム好きにはたまらない!」と興奮した。これはきっと神様がクリーム好きにくれたプレゼントなのだと。
それから全国へと広がり、マリトッツォ、マリトッツォとみんな言っている。おれもマリトッツォしたい。デイリーポータルZでも自分のマリトッツォを作ったり、投げたり、ゲームになったりとしているが、自分もさせてもらいたい。おれなりのマリトッツォを。
1988年神奈川県生まれ。普通の会社員です。運だけで何とか生きてきました。好きな言葉は「半熟卵はトッピングしますか?」です。もちろんトッピングします。(動画インタビュー)
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おれのマリトッツォフルコースを作る
マリトッツォで調べるとおいしそうなスイーツを多く見かけるが、中にはお寿司のマリトッツォ「すしトッツォ」を作ったり、おにぎりの「マリトッツォ弁当」を作っていたりとかなり自由だ。なら、自分なりのマリトッツォを作ってもいいのではないか。いいよ、作っても。
今回、マリトッツォでフランス料理のようなフルコースを作ろうと思う。前菜、スープ、魚料理、肉料理、デザートの5品である。なんでそんなことをするのかと聞かれたら食べたいからです。
1品目 前菜のマリトッツォ
まずは前菜である。これから出てくるであろう料理に期待を持たせるそんな料理だ。お店で食べると「これで終わり?」となる。最初、チャーハンからいきたいよね。(チャーハンは前菜ではないので出ない)
トマトを使った前菜を作ろう。なんてったって野菜だから健康にいい。
これに塩をふったり、マヨネーズをかけて食べるだけでもおいしいが、今回は料理をしよう。トマトに合うものを色々と考えた結果、たどり着いたのはチーズだ。
色々と考えたと書いたが、すぐに思いついた。サイゼリヤのことを考えていたからだ。
トマトとチーズ、これを色々とした結果がこれである。
トマトにチーズ、バジルをはさみ、塩と黒コショウ、オリーブオイルをかけた。カプレーゼってお店で食べるとミニトマトを使っているせいか、小さくて食べた気がしないのが不満だったが、一般的な大きさの普通のトマトにチーズも切らないでそのままはさんだ。いや、はさんでやった。
バジルの香りが口の中に広がり、トマトの甘酸っぱさとチーズの淡泊ながらコクのある味わい、オリーブオイルの油のうまさが全て合わせって、イタリアの風が吹き荒れている。サイゼリヤにも置いて欲しい。ドリアとセットで。
2品目 スープのマリトッツォ
続いてはスープだ。スープをマリトッツォにするのは難しい。でも、マリトッツォフルコースを作るためにはやらなきゃいけない。企画ってこういうことだから。
とりあえずコンソメスープを作る。コンソメスープで煮込んだロールキャベツがおいしい季節になりましたね。
ジュレというものを聞いたことがある。スープや調味料をゼラチンで固めて、ソースとして使ったりするものだ。それを使えば、スープもはさめるだろう。
ゼラチンが入ったコンソメスープをよく混ぜて、冷蔵庫で冷やす。3時間ぐらいで固まった。
固まっているが、カップに入れて作ると作ってはいけないものを作っている感覚になるので、タッパーなどを使ったほうがいいと思う。(この施設になかったので)
これをどうするのか、野菜にかけてもいいが、それだとなんか面白くないし、フルコースでびっくりさせたい気持ちがある。
コンソメスープにコンソメを合わせる。これを思いついたときにはビストランテエノシマを開けると思った。あと、ビストランテってイタリア語なのか。ごめんな、フランスのフルコースの話をしているのに。
まず、ポテトチップスのコンソメパンチが来たあとに、少しあとから別のコンソメの味がやってくる。
口の中でコンソメがコンソメを追いかけてきた。作るのに3時間ぐらいかかるがおいしいよりも面白いのでみんなやってほしい。
魚料理のマリトッツォ
魚はおいしい。刺身もおいしいが揚げたり、焼いたりしてもいい。漬けにして食べようと思ったが、何か料理をしよう。
ごま油とめんつゆを混ぜたものに少しだけ漬けて食べたい。もしくはわさびしょうゆでいってしまいたい。そんな気持ちを熱したフライパンにぶつける。
これをどうマリトッツォにするのか。シェフが取り出したのはアボカドだった。サーモンとアボカドは合う。相性バツグンというクックパッドがたくさんあったのできっとそうだ。
種を取り、皮をむいたらサーモンと合わせたら完成である。完成した料理を見て欲しい。すごいから。
できたときに「途中?」と思った。明らかに何か足りない感じがするが、うちのシェフ(自分)が「これで完成」と言っているので完成です。
サーモンに味をしっかりつけたが、アボカドの風味に負けてしまう。あれか、ソースが足りないのか。このあと、しょうゆをかけたらおいしかったです。小学生の感想。
お肉のマリトッツォ
4品目は待ってました肉料理。肉はうまいので今年ブームになると思う。肉ブーム。
塩をふりかけ、コショウをかけたら、熱したフライパンへ。強火で火が通りすぎないようにミディアムレアで焼く。祭りである。
肉が焼けた。これをどうマリトッツォするのか。最初、ゆでたまごでもはさむかと思ったが、なんか物足りない。
どうしようと思って悩んだ結果、買ったのはフォアグラである。どこで買えばいいのかと調べたらAmazonで売っていた。Amazon、フォアグラまであるのか。
フォアグラなんてどうやって調理すればいいのかわからないが、調べたら「フォアグラはほぼ脂肪なのでそのまま焼いたら溶けてしまいます」と書いてあった。無知な者が贅沢品を無駄にする、みたいな内容のおとぎ話のような食材。
小麦粉をまぶすことで溶けにくくなるらしい。準備ができたら油を引かないで焼く。
焼いた途端に油が思っていた5倍出てきて「ちょっと!ちょっと!」と叫びながら焼いた。でもいい感じに焼けた。
すごいものが出てきてしまった。いいのだろうか、こんなの作っても。でも、いいと思う。料理って自由だから。料理研究家の平野レミさんから学んだことだ。
皿に鼻を近づけると凱旋門が見えてきた。ボンジュールである。はいこちらこそ、ボンジュール。
おいしさに脳が震えた。なんだこの衝撃は。フォアグラの脂のうまさとステーキの肉汁が口の中ですごいことになっている。口の中が、すごいことになっている!(興奮気味にお伝えしています)
金持ちたちはこんなの食べているのか。ずるいな。今度食べるときには呼んでほしい。そして、1切れ分けてくれ。え、パンもいいんですか? ありがとうございます!
チャーハンのマリトッツォ
肉料理で興奮してしまった。これ、ライスをつけたら怒られるかな。つけたいな。本当は5品で終わろうと思ったが、ご飯ものを食べたくなったのでチャーハンを作ります。
おいしいチャーハンの作り方を調べたら「冷やご飯や冷凍したご飯は一度、お米を洗ってぬめりを取り、しっかりと水分を取ってからお米を炒めるとパラパラになります」というのを見つけたのでやってみよう。
こうすることでお米同士がくっつかないのでパラパラになるそうだ。こういう情報を入れるとちゃんとした記事を書いている気持ちになるのでいいな。
これだけでも十分においしそうだが、今回はマリトッツォにしなければならない。なにをいれたらいいか。シンプルなチャーハンに具材を足そう。
肉を入れたい。さきほども肉を食べたが、チャーハンは別腹だから。豚バラってなんやかんやで一番うまいよね。
マリトッツォに見えないかもしれないが、大切なのは気持ちなのでマリトッツォとして見てください。
今日もチャーハンがうまい。パラパラしているし、豚バラはおいしい。味に派手さはないが、フランスに行っていた心が、家に戻ってきた。
はじめて中華料理に欠かせない調味料の味覇を使ったチャーハンを作ったが、こんなにうまいのかと感動している。明日も作ろう。
普通にマリトッツォ
最後はデザートだ。マンゴーに生クリームを入れたフルーツのマリトッツォを作ろうか迷ったが、ちゃんとマリトッツォに向き合おう。
ブリオッシュ生地に生クリーム、イチゴジャムが入ったマリトッツォ。デザートは別腹というが、さすがにお腹いっぱいである。おいしく食べられる自信がない。
生クリームのクリーミーで上品な甘さにイチゴジャムの甘酸っぱさが食後にちょうどいい。デザートを食べるとご飯が終わった気持ちになる。みんなもデザートを食べよう。
マリトッツォよ、永遠に
マリトッツォを調べたら、かつてはマリトッツォの中に婚約指輪を入れてプロポーズをする習慣があったそうだ。自分もチャーハンに入れてプロポーズしたいのですが、大丈夫でしょうか?