山本太郎氏「消費税廃止」を説明 – ABEMA TIMES

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 週末の選挙戦を迎える衆院選。主要政党から代表者を招き、各党の政策やビジョンについて聞いてきた『ABEMA Prime』に20日、れいわ新選組の山本太郎代表が生出演。若い世代に向けて「教育費無償、そして奨学金はチャラ」、そのための「徹底した財政出動」を訴えた。

【映像】れいわ新選組・山本代表に聞く

■奨学金の債務を国が買い上げ、チャラにしたい

 れいわ新選組が強調するのは、コロナ禍での徹底した生活支援だ。“徹底補償付きステイホーム”として、感染を抑え込む間は1人当たり20万円の現金給付などを打ち出している。

 「何があっても心配するな、そういう国づくりをあなたと一緒にやっていきたい。生きているだけで価値がある社会。そういう国を作っていきたいと。生産性で物事が語られすぎる。全ての責任は自己責任だと押し付けられ、国が間違って作ってきた数々の政策によって構造が大きく変えられてしまった。あなたの生活が苦しい、周りの人たちの生活が苦しいのを見て、世の中どうなっているんだ?と思う方がいるかもしれない。それは政治に大きな責任がある。この25年、不況の中にあった日本、そこにコロナがやってきたということを見つめなければならない。コロナだから苦しんでいるのではない。25年の不況の中でコロナが来たことが一番の問題だ。ここで国ができるのが、徹底した財政出動だ」。

 冒頭、そう話した山本代表。まず教育格差の是正のため、“大学院までの無償化”、そして“奨学金債務のチャラ”を実現したいと話す。

 「奨学金の債務を国が買い上げる、という形で可能になると思っている。そもそも奨学金というシステム自体、私は悪しきものだと思っている。大学生の2人に1人に借金を背負わせ、そのうちの7割には利息を払わせるというシステムだ。実はその利息は年間300億円くらいなのに、そのために払わせているのかという話だし、究極は返さなくていいはずだ。そうしないから取り立てという仕事も生まれる。ある意味、小泉政権時代に若い人を金融商品化してしまったということだ。9兆円のワンショットで、580万人の生活を変えられる。それぐらい大胆で、国の誤った政策で生まれた犠牲者をしっかり面倒見ていくべきだ」。

 ここで奨学金の返済に苦労したという紗倉まなが「過去に遡って国が買い上げるということもあるのだろうか?」と尋ねると、「完済されている方々に関しては、さすがに難しい部分があると思うし、そこには不公平感がどうしても出てしまう。奨学金を借りずに家族の力で大学に入ったよ、という方々に関して奨学金をチャラにするのはプラスにはならない提案だが、580万人の首が締まっていて、家族を持つことも不可能だというところに置かれている人たちをカバーしていくことは認めていただきたい、やらせていただきたい」と回答。

 その上で山本代表は「教育の無償化が4兆円くらい、他にも18歳まで医療費無料にするなどの費用が、おそらく8700億くらい。こういったことで、教育格差を縮めていけるだろう。どんな家庭に生まれようと、どんな育ちであろうと、同じスタートライン立てる。また、住まいは権利だから、収入が少ないお宅に対しては、敷金・礼金・保証人がいらない、何があっても追い出されない、究極は家賃ゼロの公的住宅のようなバックアップをしていく。幅広い形で、どういう環境にあったとしても、人間としてしっかりとした暮らしを送れるようにしたい」とした。

■「国を立て直すため、消費税は廃止をしなければいけない」

 れいわ新選組が子育て・教育政策と並んで強く打ち出しているのが「消費税廃止」だ。

 「消費税をやめる?そんなの無理だよ、と思われる方が多いのは分かる。どうしてか。それは30年以上も払い続けているからだ。でも、本当に社会保障のために必要なのか。それは真っ赤な大ウソだ。実は一部にしか使われていない。1989年からの消費税収と法人税収の減少額を見てみれば、消費税は社会保障のために必要なのではなく、お金持ちの減税、大企業を減税、その穴埋めのために必要だったんだ、というのが事実だ。2016年までの間に、消費税収の73%がそこに使われていたという計算になる。こんなムチャクチャな税金の取り方があるのか。

 では、この消費税をやめたら一体何が起こるのか?ということだが、消費者が年間にどれだけの消費税を払っているかを見てみると、月に20万円を消費する世帯では年間22.8万円ほどだ。これが30万円の消費になれば、当然30万円台に跳ね上がる。つまり消費税をやめることによって、あなたの手元に数十万円のお金が残るということになる。それであなたはどうするか。貯金する人もいるだろうが、一部は消費に回る。そこであなたが使って下さる消費という行為が、回り回って誰かの所得に変わっていく。

 この“誰かの消費は誰かの所得”という循環が生まれると何が起こるか。参議院の試算では、消費税をゼロにすると5年後、1人あたり賃金が年間で約29万円上がる。この25年間、消費が弱り続け、不景気で、デフレから脱却できない。みんながお金を使えなくなった。一握りの人たちの減税の穴埋めにみんなから搾り取ってきた消費税によって消費が減り、所得も減る。この悪い循環からこの国を立て直すために必要な経済政策の一つとして、消費税は廃止をしなければいけないというのが私たちの訴えだ」。

 フリーアナウンサーの柴田阿弥は「コロナの時期だから、というわけではなくて、恒久的に消費税を廃止するのか」と質問。すると山本代表は「時限的に廃止するという話では全くない」と断言する。

 「コロナが来たからみんな大変ですね、という体になっているが、それは大きな間違いだ。先ほど言った通り、コロナの前から25年間の不況だった。これは先進国の中でも唯一だ。例えばコロナが来る前の令和元年の状況を見ると、“生活が苦しい”、あるいは“やや苦しい”と感じている世帯の割合が全世帯のうち54.4%、母子世帯では86.7%だ。

 また、日本銀行の調べでは年齢別の貯蓄ゼロ世帯の割合は20歳代が61.0%、30歳代でも40.4%という状態だった。すでに地盤沈下して、どうしようもなくなっていたところにコロナがやってきたという点を鑑みなければならない。消費が加熱している時だったら、100歩譲って消費税があっても致し方ないという部分があるかもしれない。しかし消費が弱っているときに増税を重ねたらどうなるか。

 この25年、所得が高いところから低いところまでを並べてみた中央値では108万円も低下している。つまり、みんなが貧乏になっている。やはり消費税は廃止すべき税金だろうと考える」。

■「政治家は議員バッジのための仕事、資本家の手先としての仕事をしてきた」

 柴田が「大きく恩恵を受けるのは、やはり富裕層ということになるという見方もできないか」と重ねて尋ねると、山本代表は「税金の取り方を変えるというやり方もできる」と回答。

 「この緊急事態は国債発行で賄う形でいいと思っている。ただし平常時に戻っているときには税制は変わっていかなければいけない。そのときに、例えば企業が儲かっているときは法人税のパーセンテージが上がる、儲かっていないときにはパーセンテージが下がるという形を作っていく必要もあるだろう。また、お金持ちの消費に対する課税に関しても、例えば昔あった物品税のような、贅沢税的なものを導入することも不可能ではない。ただ、消費税はおにぎりを1個買うのにもかかる税金だ。まるで消費をするのに罰金を取られているというような税制は、この国に存在することを許してはならない」。

 こうした主張に、お笑い芸人のパックンは「報酬や投資など、様々な経費が認められて利益がゼロになっている場合も多く、結果として法人税を払っていない企業も多い。あるいはGAFAは法人税をほとんど払っていないことで知られているが、日本においてどう対応するのか」と懸念を示す。

 山本代表は「経費で落としていくことに関しては、例えば設備投資や、従業員をしっかり処遇しているといったことが認められた場合は、上げた法人税率の部分に関して減税などが適応されていくということもやるべきだろう。それは岸田さんも言っている。でもちょっと待ってほしい。もうすでに減税され尽くした。だからこそ、一度上げていかないといけないという作業が伴う。海外企業に対する課税は、国際連帯も必要になってくる」と答えた。

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