異例だった無観客の五輪が閉幕 – BBCニュース

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東京オリンピックが8日、閉幕した。午後8時からは国立競技場で閉会式が開かれ、新型コロナウイルスの影響で無観客などの措置が取られた異例の大会が、すべての日程を終えた。オリンピック旗が3年後の五輪の開催都市、フランスのパリに引き継がれ、聖火が消された。

史上初めて1年延期された東京オリンピックは、17日間で33競技339種目が開かれ、207の国・地域の選手約1万1300人が参加した。

新たに、空手、スケートボード、スポーツクライミング、野球・ソフトボール、サーフィンが競技に加えられた(野球・ソフトボールは2008年北京五輪以来の復活)。

メダル獲得数が最も多かったのはアメリカの113個だった。金メダル数でもアメリカが39個でトップとなり、中国38個、日本27個、イギリス22個、ロシア・オリンピック委員会20個の順で続いた。

日本のメダルは計58個(銀14個、銅17個)。2016年リオデジャネイロ五輪の計41個を上回り、史上最も多くのメダルを獲得した。イギリスのメダル数は計65個で、リオ五輪の67個に次いで多かった(2012年ロンドン五輪と同数)。

大会中に感染拡大

今大会は東京都に緊急事態宣言が出される中での開催となり、選手村でも新型ウイルスの感染が拡大。競技に出られなくなる選手も現れた。大会関係者で陽性と判明した人は7月以降で累計430人に上り、うち29人は選手だった。この間、東京都の感染者数は1日あたり5000人を超え、過去最多となった。

選手たちは毎日ウイルス検査を受け、食事や練習、競技の時以外はマスクを着用した。

屋外競技は気温が35度に達する猛暑の中で開かれ、史上最も高温の中で開催されたオリンピックにもなった。

国立競技場前ではこの日、閉会式の前に約30人が抗議デモをし、警察ともみ合う場面が見られた。

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すでに全員帰国した国も

閉会式は「Worlds we share」がコンセプト。「一人ひとりの持つ異なる世界を共有しあって生きている」ことを表現したと、主催者側は説明した。

感染防止対策で、選手は競技終了から2日以内に選手村を退去するよう求められたため、閉会式の参加者は過去の大会と比べて大幅に減った。日本からは選手約80人が参加した

式ではまず、各国の国旗を持った旗手だけが入場。日本の旗手は、空手男子形で金メダルを獲得した喜友名諒が務めた。イギリスは、自転車競技トラックで金、銀の計2個のメダルを獲得したローラ・ケニーが旗手となった。

すでに全員が帰国した国も多く、62カ国の国旗は大会スタッフが代わりに持った。

歌や踊りと表彰式

その後、選手たちが4カ所の入り口から続々と入場。東京スカパラダイスオーケストラや、シンガーソングライターmilet(ミレイ)さんらによるショーが続いた。

テレビ中継では、別々の国の選手たちが一緒に写真を撮る様子が見られた。

ショーが終わると、慣例に従い、陸上マラソン男子の表彰式が開かれた。それに先立ち、今回初めてマラソン女子の表彰式も閉会式で行われた

続けて、約7万1000人のボランティアの代表らが表彰された。その後、佐藤健作さんが和太鼓を演奏し、ダンサーのアオイヤマダさんが死者への追悼の舞を披露。東京音頭と盆踊りも披露された。

パリへの引き継ぎ

終盤に差し掛かり、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長、東京都の小池百合子知事、パリのアンヌ・イダルゴ市長が登壇。

17日間掲揚されていたオリンピック旗が下ろされ、小池知事からバッハ会長に渡された。バッハ会長はそれをイダルゴ市長へと渡した。続けて、フランス国歌が流れる中、フランス国旗が掲揚された。

次に、オリンピックを待つパリ市民らの映像を上映。エマニュエル・マクロン大統領が、「より速く、より高く、より強く、共に」と、五輪モットーを唱える場面が流された。

続いて、大会組織委員会の橋本聖子会長がスピーチ。「コロナ禍の厳しい状況の中での大会となった。医療従事者をはじめ、大会に尽力したすべての皆さま、大会を受け入れていただいた日本の皆さまに心から感謝する」と表明した。

また、選手たちに向けて、「みなさんが描いた奇跡は、どんな言葉でも表すことができない素晴らしい姿だった」と称賛。「アスリートとスポーツの力によって未来への扉が開かれた。スポーツには世界と未来を変える力がある。この力が2024年パリ大会へとつながれていくと信じている」と訴えた。

そして、「私たちの旅はまだ続く。逆境を乗り越え、自らの可能性を信じるパラリンピアンの躍動が始まる」とし、パラリンピックに万全の態勢で臨むと決意を示した。

「未来を信じる気持ちを与えた」

続けてバッハ会長がマイクの前に立ち、「パンデミックが始まって以来初めて、全世界が1つになった」と力説。「世界中の何十億人もが心を1つにした。喜びと感動を共有した。これが希望をもたらす。これが未来を信じる気持ちを与えてくれる。東京2020オリンピックは希望と連帯と平和のオリンピックだ」と述べた。

さらに、「世界最高のアスリートがオリンピックの夢をかなえることができたのは、日本が輝ける舞台を用意したからだ」、「すべてのアスリートを代表して申し上げます。ありがとう東京、ありがとう日本」と感謝した。

そして、「ここに、最も困難な東京までのオリンピックの旅に終わりを告げる。第32回オリンピックの閉会を宣言する」と結び、最後にフランス語で「パリでお目にかかりましょう」と呼びかけた。

この後、聖火が消された。

式の最後では、東京パラリンピックの予告映像が流された。東京パラリンピックは8月24日開幕。9月5日までの13日間に、22競技が開かれる。

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