「与党で過半数」弱気な岸田首相 – 深谷隆司

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 最初の予定より1週間前倒しで19日公示、31日投開票 の衆院選挙が始まった。これから12日間、私も忙しくなる。

 岸田政権が出来て最初の試練だが、一体どのような答えが出るのか気になる。

 安倍政権下で過去3回選挙が行われたが、いずれも大勝している。菅政権もそうだが短期で終わるのはよくない。じっくり落ち着いて政治が行われることが大事だし、特に外交面を考えても必要なことである。

 岸田総理は勝敗ラインは「与党で過半数」と言ったが、少し弱気だなと思う。これでは233議席でいいということで、

 公示前の自民276、公明29の計305と比べて少なすぎる。自民は72議席減の204取れば達成できるという安易な発想では「戦いとる」と言う意気込みが感じられない。

 自民単独過半数の233を維持できるかが勝負どころで、公明党より常に一定の上位を維持することが、政策運営上でも必要なことではないか。 

 予算や法案を円滑に通すためには、全常任委員長ポストを独占し、各委員会で半数を確保できる安定多数の244が求められるが、そうなるには最低でも自民党は61減で215以上の確保が必要である。

 憲法改正は自民党の党是だが、改正の発議には議会の3分の2が必要である。公示前は自公に日本維新の会11を入れた3党で3分の2を超えていたが、果たしてどこまで頑張れるか・・・。

 立憲民主党や共産党は全289選挙区のうち210超で候補者を一本化した。閣外で限定協力と言っても、これではむしろ共産党の主張が通っているようで、立憲民主党は共産主義革命政党になってしまったのかと疑う。まさに選挙のための野合でしかない。

 この選挙の焦点は、新型コロナ対策、経済・経済安全保障、外交安全保障政策、エネルギー・気候変動対策で、どれも国の独立と繁栄、国民の命と暮らしに直結している。

 19日北朝鮮は日本海に向けて弾道ミサイルを発射したが、これは潜水艦発射弾道ミサイルではないかと言われている。

 4年前の衆議院選の時も核実験、日本列島越えの弾道ミサイル発射でつまらぬ「嫌がらせ」を目論んだ。

 岸田総理は遊説日程を変更して急遽帰京し、国家安全保障会議を開いた。私は大臣時代にこのメンバーの1人で、旧官邸の地下の一室で、かなりの国防策を練ったものである。

 中国も8月に極超音速ミサイル試射に成功したという。発射後地球を一周し、宇宙から各国に攻撃することが可能という。まさに我が国を取り巻く環境は最悪である。

 岸田首相は「敵基地攻撃能力保有」も含めあらゆる選択肢を検討するよう確認したが、相手国領域内で弾道ミサイル等を阻止する能力を保有することは重要である。

 防衛費は国内総予算(GDP)1%以内となっているが、これを2%以上に増額を目指す決断を下した。正しい判断だ。

 中国の台湾進攻は尖閣諸島、沖縄での日本有事に直結することは世界的常識である。米軍には日本の全面的協力が必要で、安倍政権時に制定された集団的自衛権の限定行使容認は米軍と守りあう体制が固まったということで合憲である。「米には協力しないが日本は守ってくれ」は通用しない。

 日米、オーストラリア、英仏、インドなどの有志国と対中抑止力を高めるために必要なのは外交努力と国防努力なのである。

 こうしたことをこの選挙を通じて是非国民に理解してもらうよう頑張らなければいけない。

 選挙初日、私は辻清人候補、松島みどり候補の為に台東、文京、中央、港、荒川、墨田各区を飛び回り街頭演説で獅子吼した。

 86歳とは思えないと、私の若さを皆が褒めてくれたが、選挙になると若返るのかもしれぬ。大いに努力する所存である。

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