最期のときは意外とあっさりやって来た。唯一無二の「肉めし」で知られる岡むら屋の最後の1店舗「岡むら屋 新橋店」が2021年11月5日(金)で閉店することが判明した。誠に残酷ながら申し上げよう、岡むら屋……消滅である。
去る8月には「岡むら屋 秋葉原店」が閉店していたが、まさか創業の地であり世界で1つの岡むら屋が姿を消してしまうとは──。私、P.K.サンジュンは悲しみに暮れている……と同時に猛烈な怒りを感じている次第だ。
・オンリーワン丼
新橋の地に「岡むら屋」が誕生したのは2014年8月のこと。従来の牛丼とは一線を画す「肉めし」は、明治時代の牛鍋をヒントに誕生した激ウマ丼であり、まさに “オンリーワン丼” と称して差し支えあるまい。
肉めしは早々におっさんたちの胃袋をワシ掴みにし、新宿・五反田・高田馬場……などなど、一時期は都内で数店舗を展開。だがしかし、2021年5月末に「新宿店」が、8月末には「秋葉原店」が閉店し、いつの間にか岡むら屋は絶滅危惧種となっていた。
・誰のせいなのか?
岡むら屋を運営する「アークランドサービスホールディングス株式会社」は、あの「かつや」を擁する大手飲食チェーン店である。岡むら屋のポテンシャルはかつやにヒケを取らない──。今現在も私はそう確信している次第だ。
ということは、だ。
岡むら屋を絶滅まで追い込んだ張本人は、我々ユーザーではなく「アークランドサービスホールディングス株式会社」なのではあるまいか? かつやに注いだ愛情の1割でも岡むら屋に向けていれば、こんな結果にならなかったのではないだろうか?
これにはブッダくらい温厚なサンちゃんも激おこぷんぷん丸! アークランド貴様ァァァアアアア!! 理由次第では許さんゾォォォオオオ!!
・ブチギレるしかない
というわけで、アークランドサービスホールディングス株式会社の広報担当者にコンタクトし、閉店の理由を聞いてみることにした。心情的には一世一代の殴り込みだ。
──オンドレェェエエエエ! ボケコラァァァアアアア!! なんで岡むら屋が無くならなきゃアカンのじゃぁぁぁあああああ!
「た、大変申し訳ございません。我々としても苦渋の選択です」
──かつやよりウマいじゃろ! コンチクショォォオオオオオ!!
「岡むら屋に熱心なファンの方がいらっしゃることは重々存じております。ただ、総合的に判断した結果、今回は閉店とさせていただくことになりました」
──グヌヌ、やっぱり厳しかったんか?
「現在の価格で現在の品質をキープし続けるのは、なかなか大変なものがあり……」
──そ、そうかえ。
「ただ、今回は閉店させていただきますが、岡むら屋が大切なブランドであることは間違いありません。現段階では全店閉店とさせていただきますが、様々な条件が整えば岡むら屋を再度展開したい気持ちは持っております」
──おお、それは朗報じゃ。
「その際は1店舗だけではなく、多くのお客様にお楽しみいただけるような店舗展開を考えている次第です」
──ワシは信じとるで……! なぜなら肉めしは激ウマだからじゃ!!
「ありがとうございます。岡むら屋が当社に残した影響は大きく、スンドゥブ専門店 中山豆腐店の豆腐などはまさに岡むら屋にインスパイアされたものです」
──岡むら屋のDNAは生きていると……?
「はい、これまでのご愛顧を感謝し、岡むら屋が残してくれた遺産をお客様に還元できればと考えております。もちろん、岡むら屋ブランドの復活も諦めていません」
──ようわかったわ……、岡むら屋フォーエバァァァアアアアア!
ご覧のように、岡むら屋は総合的に判断した結果「ビジネス的に厳しい」ということらしい。資本主義の大原則に岡むら屋もまた無念の退場を余儀なくされた格好だ。
・復活を祈れ
一方で復活の可能性も無くは無さそうな雰囲気だから、岡むら屋大好きっ子たちは星に岡むら屋の復活を願い続けていただきたい。誰か、お客様の中に岡むら屋が大好きな石油王はいらっしゃいませんかーーー!?
とにもかくにも、2021年11月5日を最後に「岡むら屋」は姿を消す。サンキュー、岡むら屋。フォーエバー、岡むら屋。ファンは最後にもう1度、岡むら屋に足を運んでみてはいかがだろうか?