「月のマーク良かったのに」「戻して欲しい…」――。生活用品大手・花王の企業ロゴが変更されたとの指摘が、インターネット上で相次いでいる。
長年使われていた月のマークが突如消えたというがなぜか。同社に聞いた。
今後はコーポレートシンボルに
2021年10月1日以降、テレビ番組の提供クレジットに表示される花王の企業ロゴが変わったとの指摘が、SNS上に多数書き込まれている。
同社のロゴといえば、英字の社名と月のマークの組み合わせで知られるが、月が無くなったという。
花王公式サイトによれば、月のマークは創業当初から使われてきた。当時扱っていた輸入品の鉛筆に描かれていた月と星のマークから着想を得て、創業者の長瀬富郎氏が1890年に考案した。サイトには「”美と清浄のシンボル”として使われた『月のマーク』は、形を変えながら社のマークとして受け継がれています」と書かれている。
花王広報部は5日、J-CASTニュースの取材に、2021年10月1日からの企業スローガン変更に伴いロゴを変更したと明かす。
月のマークは2009年にすでにグループ全体を表すロゴからは消えていたものの、日本とアジアのコンシューマープロダクツおよびケミカル事業では使い続けていたという。しかし、企業スローガンを09年策定の「自然と調和する こころ豊かな毎日をめざして」から「きれいを こころに 未来に」に変更したことを機に、英字の社名のみのロゴに全社的に統一した。
同社を代表するマークだけに、社内で反発はなかったのか。
「これまでは『Kao+月』をセットで使うことが必須でしたが、Kaoと切り離した『月マーク』を単独で、コーポレートのシンボルマークとして活用して行くことを同時に決めたので、スムーズに受け入れられました」(広報部)
今後もブランド資産として企業コミュニケーションに生かしていく考えで、「まずは、紙の手さげ袋や封筒のデザインに採用することが決まっていますが、これからさらなる活用方法を検討していきます」とした。