【コラム】「東京リベンジャーズ」がここまでの人気作になっているのが信じられない

ロケットニュース24

現在、日本でもっとも人気があるアニメ・漫画コンテンツは何か? と聞かれたら、それはもう問答無用で『東京リベンジャーズ』だろう。実写映画も絶好調。『鬼滅の刃』『呪術廻戦』に次ぐ一大センセーションを巻き起こしている。

特に女性ファンからの熱い支持が目立つ同作だが、実は私(あひるねこ)のような雑誌主体の古い漫画読みからすると、『東京リベンジャーズ』がここまで女性の心を掴む大ヒット作になっているのが、いまだにちょっと信じられなかったりする。その理由は──。

・空前の『東リベ』ブーム

2017年より週刊少年マガジンにて連載がスタートした『東京リベンジャーズ』。ちなみに原作の正式表記は『東京卍リベンジャーズ』だが、本稿ではアニメに合わせて『東京リベンジャーズ』と記載することにしたい。

さて、『東京リベンジャーズ』の最大の魅力というと、暴走族チームが登場する古典的なヤンキー漫画に、タイムリープや歴史改変といったSF要素を無理なく絡めたその設定の妙にあると個人的には思う。

もちろん過去をさかのぼれば『代紋TAKE2』(ヤクザ漫画+タイムスリップ)などの偉大な成功例があるにはあるものの、主人公のタイムリープの動機が自分が成り上がるためではなく、誰かを助けることにあるあたり、今の作品という感じがする。

ただ、そういった斬新な設定以上に本作の人気をけん引しているのが、個性豊かな登場人物たちであることは言うまでもないだろう。マイキー、ドラケン、千冬、場地、三ツ谷……などなど、ルックスと漢気を兼ね備えたメインキャラ集団のカッコよさは異常だ(一番人気が主人公ではないという点もヒット作あるあるか)。


が、しかし……!


私は本作を数年前から好んで読んでいるが、まさか……まさかこんな社会現象になるとは……! まさか、こんな超人気作になるとは……!! そしてまさか、こんなに女子にキャーキャー言われるようになるとは……!!! 夢にも思わなかったぞ。むしろ、女性人気とは無縁の漫画だと思っていたのだ。

・信じられない

たしかに言われてみれば『東京リベンジャーズ』とは、多種多様なイケメンがわらわらと湧いて出てくるオラオライケメン見本市である。女性ファンが反応するのは当然と言えよう。にもかかわらず、なぜ私は現在の女性人気に驚愕しているのか? その理由は、作者の和久井健先生にある。

・青年誌から少年誌へ

『東京リベンジャーズ』の生みの親である和久井先生がマガジンにやって来たのは2015年。本作より前に『デザートイーグル』という作品を連載している(全5巻)。だがそれ以前の和久井先生は、実は青年誌のヤングマガジンを主戦場としていたのだ。

そして和久井先生のデビュー作にして現時点での最大の代表作が、綾野剛さん主演で実写映画化もされた……


『新宿スワン』である。

・名作スカウトサバイバル

2005年から2013年の長きに渡って連載された『新宿スワン』。ヤンマガ史に残る傑作であることは間違いないが、ハッキリ言ってその内容はひたすら男向け。なにせ主な舞台は新宿歌舞伎町で、主人公を含む登場キャラクターの多くはスカウトかキャバ嬢かヤクザである。

私の経験上、『新宿スワン』が好きと言う女の人の彼氏は大体いかつい。現在『東京リベンジャーズ』にハマっている層とは明らかに異なるトライブではないか。だってアンタそうだろう……。


これやぞ?


これやぞ?


これやぞ?

・絶対女子じゃない

青年誌でヤクザやスカウト会社同士の抗争を長年描き続けた和久井先生が、少年誌に移ってまったく新しい形のイケメン不良賛歌を描き女性に大ウケするなんて誰が想像できる? 「和久井健=新宿スワン=ヤンマガ」のイメージが強い漫画ファンからすると、これは脳がバグるくらい異様な現象なのだ。

連載にあたり絵のタッチも少年誌に合わせて大きく変えており、その器用さや嗅覚の鋭さも含め、和久井先生の才能には改めて震えざるを得ない。でもよく考えたら……『新宿スワン』も『東京リベンジャーズ』も、通底しているものは一緒なんだよね。要は……


男が惚れる漢がたくさん出てくるってこと。

・かっけぇ漢たち

ドラケンや場地、三ツ谷など、漢気溢れるキャラだらけの『東京リベンジャーズ』。その原点とも呼べる “アウトローなカッコよさ” が『新宿スワン』には充満していると私は思う。だから東リベ沼に絶賛ドハマり中の皆さんは、これを機にぜひ『新宿スワン』も読んでみて……とは決して言いません。だってアンタ……


これやぞ?

・無理はするな

まあ、気が向いたらということでどうか一つ。ちなみに私が一番好きなキャラは、上のバリヤバそうなお方・関さんです。それでは引き続き『東京リベンジャーズ』を共に楽しみましょう。

執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.

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