うろおぼえが図書館の助けに? SNSで話題「覚え違いタイトル集」が書籍化→収益はそのまま本で

J-CASTニュース

   福井県立図書館の「覚え違いタイトル集」が書籍化される。「トコトコ公太郎」(とっとこハム太郎)、「そば屋再襲撃」(パン屋再襲撃)など、利用者が覚え違いで図書館に伝えたタイトルなどをまとめたものだ。

   このリストは、もともと同館の公式サイト上で公開されていたもので、SNS上を中心に人気を博していた。書籍化が報じられると、さっそく「超欲しい」「絶対買うわ」という声が広がっている。

   2021年9月10日、J-CASTニュースの取材に応じた福井県立図書館の「覚え違いタイトル集」担当者によると、同書の売り上げは意外な形で図書館に貢献するそうだ。


  • 福井県立図書館


  • 「覚え違いタイトル集」抜粋


  • 福井県立図書館の相談カウンター


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書籍化を行った背景

   「覚え違いタイトル集」は、借りたい本のタイトルが良く分からない、覚え違いだったなど、実際にあった相談事例をもとに作られたリスト。2007年に公式サイト上で掲載されて以来、人気のコーナーとなっている。

   このリストが「100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集」という書名で2021年10月20日、講談社から出版されることになった。佐野洋子さんの絵本「100万回生きたねこ」の間違いを採用している。

   書籍化の話が上がったのは21年2月のこと。福井県立図書館の元に、講談社の職員から手紙が寄せられた。

「これまでにも他の出版社の方から書籍化の依頼をいただくことはありましたが、お手紙でいただいたのは初めてです。『覚え違いタイトル集』やそれを支える調べる力を評価してくださるものでした」

   こう話すのは、現在「覚え違いタイトル集」コーナーを担当する井藤久美さん。本の相談(レファレンス)の統計やとりまとめなどを行っており、その一環で「覚え違いタイトル集」の編集も行っている。コーナーの担当者としては4代目だ。

   講談社の熱いアプローチに加え、ちょうど今年度に入って異動で離れていた「覚え違いタイトル集」の初代担当者が戻ってきたこともあり、書籍化を受けることにした。

   今回の書籍化で発生した利益は、「本」となって図書館に収蔵される。

「講談社さんからは報酬相当の書籍をいただくことになりました。昨今はどこの図書館も予算が厳しいので、講談社さんのような大手出版社が出版した本であっても、全て買えるわけではありません。これまで買い漏れていた本を中心にいただくことになり、欲しい本をリストアップしているところです」

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