スイス発の暗号化メールサービス「ProtonMail」が、利用者のIPアドレスをフランス当局に提供したとして批判を浴びている。
これはフランス当局からの要請に対し、同国内の活動家のIPアドレスをProtonMailが提供し、それが活動家の逮捕につながったというもの。ProtonMailはエンドツーエンド暗号化を売りとしているが、メール本文は暗号化されていても、IPアドレスはその対象に含まれておらず、今回のような事態を招いたというわけ。ProtonMailは通常、諸外国からのこうした要求に応じることはないが、今回はスイス当局を経由した法的拘束力のある命令だったため、法律に応じて従ったと説明している。安心安全に使えるメールサービスとして日本でも知名度の高いProtonMailだが、こうした特性は十分に把握した上で利用したほうがよさそうだ。ちなみに同社は一部の説明に不備があったことを謝罪するとともに、接続元を匿名にしたい場合は、同社が提供するTorサービスを使って接続するよう呼び掛けている。