アトラシアンの「大陸横断リモートワーク」を支える200の“社内”窓口 ~ 亀山奈緒(アトラシアン株式会社)の在宅ワークスタイル【みんなの在宅ワーク:第60回】

INTERNET Watch

「Jira」や「Confluence」といったソフトウェア開発/コラボレーションツールを提供するアトラシアン自身の「Jira」「Confluence」活用法とは?

 はじめまして。アトラシアン株式会社でオンラインマーケティングを担当している、亀山奈緒と申します。アトラシアンも多くの企業と同様に、2020年の3月初旬から新型コロナウイルス対策として、全社的に在宅勤務に移行しました。

 とは言っても、グローバルに拠点を持つアトラシアンでは、コロナ以前から世界中に分散するチームが定常的にリモートワークをしていました。

 例えば、私が頻繁にやり取りをするEメールチームやウェブチーム、イベントチームといったマーケティング関連の部署は、サンフランシスコのオフィスに集約されていたため、「Slack」や「Zoom」、自社製品である「Confluence」や「Jira」を使って、日々のコミュニケーションや情報共有を行いながら業務を進めていました。

 コロナ前との違いは、Zoomで話をするときの背景が、会議室からそれぞれの自宅(あるいはバーチャル背景)になったくらいでしょうか。

社内で依頼ごとがある場合は「Jira」でチケットを起票

 3年前にアトラシアンに入社したとき驚いたことの1つに「社内で他部署に依頼ごとがある場合は、Jiraのチケットを起票する」ということがあります。

 社内のITサポート受付に専用フォームが用意されている企業などを見かけることはありますが、弊社ではあらゆる部署への業務依頼と管理のために、このサービスデスクが用意されています。

 例えば私の業務では、ウェブサイトの修正、メールの配信、資料の翻訳、データ分析などを依頼し、コミュニケーション、進捗確認に活用しています。

200以上ある社内のリクエスト受付窓口

 ちなみに、アトラシアン内にサービスデスクは200以上用意されており、目的のものがすぐに見つけられない場合があります。そんなときは、各チームが用意しているSlackチャンネルで「こんな依頼をしたいのだけれど、どこからチケットを挙げればいい?」と聞けばOKです。

どこにチケットを挙げていいか分からないときはSlackチャンネルで質問

 しかるべきフォームに必要事項を記入して送信すると、該当チーム内で担当者が割り振られ、進捗も管理されます。依頼について追加情報が必要な場合など、関連するコミュニケーションはJira上のコメント欄で行われるため、関係者があとからチケットを見ても簡単に履歴を確認できます。

ウェブチームへ日本のお客様事例ページの作成を依頼した例

関連するチケットを「Confluence」にまとめて把握しやすく

 法務や人事といったセンシティブな情報を扱うサービスデスクを除き、チケットは社内の誰でもアクセスできるので、プロジェクトに関連するさまざまなチケットをConfluenceのページにまとめることで、特定のプロジェクトについて、どういった依頼がされていて、進行状況がどうなのか辿りやすくなります。

2020年秋に「Jira Service Management」を発表したときの日本向けメール配信をまとめたページ

 アトラシアンでは、このように空間や時差を超えて業務を進めています。このプラクティスは、リモートワークではもちろん、部門横断的に業務を進めるにあたり、いつ・誰が・何をするか、また、その背景や進捗を把握する上でとても有効だと感じています。

亀山奈緒の在宅ワーク環境

  • メインPC:MacBook Pro(13-inch、2017、Four Thunderbolt 3 Ports)
  • ディスプレイ:2画面
  • キーボード:パソコンのキーボード
  • マウス/トラックボール/トラックパッド:パソコンのトラックパッド
  • カメラ:内蔵カメラ
  • マイク/ヘッドフォン/スピーカー:以前のiPhone付属イヤフォン(なかなか良いと思うのですが……)
  • ビデオ会議サービス:Zoom
  • 机:国産学習デスクメーカーと考えた学習机
  • 椅子:Humanscale
  • その他小物:Alexa Echo Dot、コーヒー、ガム、耳かき

亀山 奈緒

アトラシアン株式会社のオンラインマーケティング担当。外資系計測器メーカーやソフトウェアベンダーで、マーケティングコミュニケーション・デジタルマーケティング業務に携わり、2018年6月にアトラシアン株式会社に入社。Twitter:@AtlassianJapanの中の人。

Source