筆者の住んでいる限界集落には、そこそこ昔から人が住んでいたらしい。言い伝えではあるが、平家側についていた落ち武者が逃げてきて住み着いたのがこの集落の始まりなんだとか。
祖母曰く、そんな我らが集落の集会所や祖父母の家には昔の書類やアイテムが結構残っているらしい。一体どんなものがあるのだろう? 気になって発掘してみたら……村の歴史を垣間見た。
・集会所編
さっそく集会所へ突撃。祖母によると、件(くだん)の書類などは押し入れの中にしまわれているらしい。今まで集会所には何度も入ったことがあるし、押し入れがあることも知っていたけど、中まで気にしたことはなかったな。
扉を開いて、手前に詰め込まれていた段ボールやファイルなどをどかしてみると……
明らかに何か出てきそうなタンス発見! 和風アニメやドラマに出てくるやつだ……! すでに「見つけてしまった」感がすごいが、本番はここから。中身を確認してみよう!!
まず出てきたのは、鉄筆! 昔は印刷のために使われていたけど、現代では色鉛筆で絵を描く時やペーパークラフトで筋をつけたい時に使われているんだって。
次に、大正10年の10銭硬貨! 最初は錆びた5円玉かと思ったのだが、はっきりと分かる「大正」の文字を見てひっくり返った。なぜこんなタンスの中に……誰かのへそくりなのか、たまたま落ちてしまったのかは謎だ。
続いて目に入ったのは、「護れ皇国」の文字。明らかに戦時中の通帳である。通帳にまでこんなことが書かれていたのか……。
ちなみにこの「護れ皇国組合貯金」、どんなものなのかGoogle先生にも分からないらしい。何者なんだ。
他にも、土地の所有者を示した本も出てきた。地名は現在でも同じ呼び方をしているのでなんとか解読できたものの、どのくらいの面積なのか、どのくらいの値段なのかは全く分からない。
明治時代に作られたらしい畳二枚分ほどの巨大な村の地図も! 住んでいる場所がバレかねないので全体を載せることはできないが、地図の一部を拡大してみるとこんな感じ。集落全体が細かく区分けされていたようだ。
・祖母の家編
続いて、集落に資料が残っているとの情報をくれた祖父母の家の作業場から出てきたものたちをご紹介。押し入れといい作業場といい、貴重な資料たちがそんなところに収められていていいのだろうか……。
まずは、繭の取引の契約書。このあたりの地域では、昔蚕を飼って商売をしていたらしいので、その時のものだろう。
こちらは達筆すぎてはっきりとは読めないが、土地を売った時の契約書かな?
そして次は……えええええええええ!?
教科書で見たやつ出てきた!!!!!!!!!!
この紙の名前は地券。1873年から行われた地租改正の際に発行された、地租という税を納める代わりに土地を持っていることを証明するものだそうだ。
これ、高校の日本史のテストに出た覚えがあるぞ……! 写真でしか見たことのないものが、まさかこんな身近なところにあったとは思わなかった。
正直、この集落の歴史はそれほど残っているわけではない。筆者自身も自分が生きた年以外に起こった出来事をまったくと言っていいほど知らなかったのだが、今回思わぬ形で歴史と対面することになった。
読者のみなさんも、自分の家のルーツや地域の歴史を調べてみてはいかがだろうか。何も無いと思っていても、意外な発見があるかもしれないから。
執筆:うどん粉
Photo:RocketNews24.
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