テレ朝飲酒 炎上商法ですらない – 渡邉裕二

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「東京五輪」開催を巡っては賛否両論が巻き起こったが、いざ開催されるやテレビ放映は軒並みの高視聴率となる盛り上がりを見せた。

ビデオリサーチ社の調査(関東地区)によると7月23日にNHKで生放送された開会式は世帯視聴率で56.4%(個人視聴率は40.0%)と言う驚愕の数字をあげたのだ。

その後も、人気競技を中心に高視聴率となり、8月8日の閉会式は世帯視聴率で46.7%(個人視聴率は31.5%)を記録。この数字は、前回(1964年)の東京五輪の63.2%、そして西独ミュンヘン五輪(1972年)の46.9%に肉薄する歴代3位だった。放送関係者は言う。

「賛否の分かれた東京五輪でしたが、始まってみれば選手の活躍が何にもまして大きく、最終的に日本のメダル獲得数は過去最多の58個(金27、銀14、銅17)になりました。開催前は批判を繰り返してきた民放テレビ各局も異例の報道体制を組み、初めて日替わりで23時までの長時間放送を行いました。当初は開催に否定的だった人たちも活躍する選手に拍手を送っていたと思います」

開会式の視聴率が生み出した「五輪ムード」

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コロナ禍で史上初の無観客開催となるなど、異例ずくめの東京五輪に当初は「最後まで開催が出来るのか」と、国民以上に放送現場にも不安視する声があったようだが、そう言った「危惧」は視聴率でガラッと変わった。ある民放テレビ局のスポーツ番組担当者は、

「マスコミを五輪ムードに一変させたのは明らかに開会式の視聴率でした。やはり数字はリアルな現実です。各局は競うように五輪開催への疑問を繰り返してきましたが、視聴率は無視できません。もちろん、批判の声があっても五輪が開幕してしまえば、状況が変わることは多少感じていた部分もありましたけど…。

ただ、開会式ばかりではなく、その後も金メダルラッシュで最終的には13競技で20%を超える数字を上げました。巣ごもり視聴のおかげとも言われますが、昨今の視聴率低迷が叫ばれる中で、驚愕の数字だったのではないでしょうか。都合のいい言い方かもしれませんが、テレビ各局は視聴者の要望に応える事が重要なのです」

と、苦笑いしながら答えていたが、実際、読売新聞社が5月7日から9日に実施した東京五輪開催に関する全国世論調査によると、「中止する」が59%で最も高く、「開催する」と回答したのは「観客数を制限して」の16%と、「無観客で」の23%を合わせても39%にとどまっていた。ところが、開催後の8月7日から9日に実施した調査では、それが逆転。開催されて「良かった」と答えた人が64%にも上り、「思わない」の28%を倍以上も上回った。

「開催直前2週間前の調査でも『中止』の回答が41%でした。つまり、流れが変わったんです。この流れについて日本選手の活躍を要因に挙げる人もいますが、開会式の異常とも言える高視聴率を見ると、やはり日本人にとって五輪は特別なもので、運動会と一緒にするのは素人以下の暴言でしかありません。

今回の読売新聞の調査で興味深かったのは、今後の日本について、五輪を開催して欲しいと『思う』と回答した人が58%もいて、『思わない』の38%と20ポイントも差をつけたことでした。年配者より若い世代ほど、今後も日本での五輪開催を望んでいるように思いますけどね」(スポーツ系のフリー記者)

当たりくじを引いたテレビ朝日

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前出の民放テレビ局のスポーツ番組担当者が語っていたように、開会式と閉会式を除いても「最終的には13競技で20%を超える視聴率を上げた」ことは紛れもない事実。最も大喜びだったのは「皆様のNHK」で、中継したうちの10競技で20%を越えた。

一方、民放各局では準決でスペインに延長負けしたサッカー中継(8月3日)をした日本テレビが30.8%、卓球混合ダブルス(7月28日)を中継したフジテレビが24.6%を上げた。

そのなかでも、他局から最も羨ましがれたのが、テレビ朝日だった。日本対米国のソフトボール女子決勝(7月27日=23.0%)、阿部詩と阿部一二三の兄妹選手が金メダルを奪った柔道女子52キロ級・男子66キロ級決勝(7月25日=21.6%)の2競技が大きな盛り上がりを見せたのだ。

ある週刊誌の編集記者は、

「とにかくクジ運がいいのがテレ朝ですからね。東京五輪の開幕前は、あれだけネガティブな報道を続けてきたのに、開幕した途端に一変しました。看板番組の『羽鳥慎一モーニングショー』などは究極の二枚舌ですよ。さすがにあれだけは真似できませんね。親会社が朝日新聞ですから、五輪が終わったら平然と高校野球です。もっとも毎日新聞系のTBSにしても似たり寄ったりなところはありますが、違いは五輪中継でちょっと盛り上がりに欠けたところでしょうか」

と、皮肉を交えて言うが、盛り上がりの後で何かとハメを外したがるのも「テレ朝のお家芸」だとも。

テレ朝五輪スタッフ 深夜までの酒宴で大批判

BLOGOS編集部

「閉会式後、東京・六本木でハンガリーの代表選手7人が酒を飲んでいて、通報で警察官が駆けつけると言うニュースがありましたが、その一方で、テレ朝で東京五輪の番組を制作していたスポーツ局の社員6人と外部スタッフ4人の10人が東京・渋谷駅近くの大型カラオケ店で〝打ち上げ〟をやっていたのです。

もちろん酒を伴う宴会だったようで、酒に酔った女性社員が何を考えたのか、2階の窓から外に降りようとして歩道に転落、足を骨折して病院に救急搬送されたことで発覚しました。

8日の夜から9日の朝方まで騒いでいたわけですが、女性社員の転落事故がなければ、おそらく閉会式後に集団で打ち上げをやっていたことなどは知らん顔だったでしょう。コロナ禍の中での五輪開催に関してテレ朝は、まさに批判の急先鋒でしたからね。もはや、やることなすこと始末が悪いとしか言いようがありません」

玉川徹氏 テレ朝社員の飲酒でまた謝罪

テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」公式サイト

この無責任な行為について、10日の「報道ステーション」と11日の「羽鳥慎一モーニングショー」などで取り上げ、テレ朝としての形式的なコメントを報じていたが、「羽鳥慎一モーニングショー」では社員コメンテーターの玉川徹氏による3分に亘ってのお決まりとも言えそうな〝謝罪の儀式〟が行われた。

その中で「調査委員会を立ち上げて事実を明らかにすべき」と発言したのだが、業界内では「玉川さんは単なる釈明社員に過ぎない」なんて声も。

「玉川さんは、今回の騒動について『社員個人の資質の問題なのか、指導が足りなかったのか、それともテレビ朝日の構造的な問題なのか、全て明らかにしてお伝えする』と言っていましたが、テレ朝は今年4月にも日曜朝の報道番組『サンデーLIVE』を担当する社員と外部制作スタッフの9人がスタッフルームで送別会をやっていて、参加した中の4人が新型コロナに感染したことがありました。

その時も玉川さんは『番組を通じて感染拡大防止を呼びかける立場にありながら、社内ルールを無視し、自覚を欠く行為があったことは大変遺憾であり、深く反省しています』というコメントを読み上げた上で『同じ社員として恥ずかしい』『本当に申し訳ない』『同じ社内ですけど、ちょっと許せない』なんて言っていましたが、全く変わっていない。

テレ朝は、これから何回、玉川さんに同じ言葉を言わせようとしているのですかね。役員どころか当事者が誰一人として表に出てこない。つまり、事態を深刻に思っていないのです。今回の騒動に関しても、人の噂も75日程度にしか考えず、適当に誤魔化して終わりにするでしょう。結局のところ局全体に学習能力がないと言われても仕方ありません」(放送関係者)

思い返せば、感染拡大で局内をロックダウンしたことがあったのもテレ朝だった。

それも批判されたら玉川氏に謝罪させれば全て結果オーライというわけか!?

もっとも、ネット時代で逆に注目を集める〝炎上商法〟だったとしたら理解も出来るのだが…。

8月24日からはパラリンピックも開幕するが、もはや開幕中はテレビ朝日の方に注目しておいた方がいいかもしれない!?

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