2021年8月13日、映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極” 悪党、集結』が公開される。一足先に同作を鑑賞した私、P.K.サンジュンはこう思わずにいられなかった。「新スーサイド・スクワッド、ヤバすぎる」「ジェームズ・ガン、天才すぎる」と──。
ちまたでは「天才」「鬼才」と称されるジェームズ・ガン監督であるが、果たして彼のどこが天才であり鬼才なのか? 答えは『ザ・スーサイド・スクワッド “極” 悪党、集結』を観ればわかる……ハズだ。
・前作は大コケ
読者の方の中には、2016年に公開された映画「スーサイド・スクワッド」をご覧になられた方も多いハズ。ズバリ、前作は駄作中の駄作として知られ「よくもこれで公開出来たな」と言わざるを得ないほど退屈な作品であった。
実際に同作は大コケした映画に送られる不名誉の極み「ゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)」にて「ワースト脚本賞」を受賞。ファンの間でも「クソ映画 = スーサイド・スクワッド」が浸透してしまうほど駄作として有名だ。
・天才映画監督、ジェームズ・ガン
そんな「スーサイド・スクワッド」の続編……というか、やり直しを手掛けたのがジェームズ・ガン監督。超ヒット作「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の監督として知られる、いま最もホットな映画監督である。
本来ならマーベル作品(ガーディアンズ)の監督がDC作品(スースク)の監督を務めることなどあり得ないが、同監督は過去の発言を問題視されガーディアンズ3の監督を解雇(後に復帰)。その間にDCがオファーを出した経緯がある。
そういう意味ではかなりのレアケースであるが「いかにジェームズ・ガンの才能が高く評価されているか?」がわかるというもの。逆にジェームズ・ガンにとっても新スーサイド・スクワッドは「絶対に失敗できない作品」であろう。
・ストーリーはほぼ同じ
で、ここで『ザ・スーサイド・スクワッド “極” 悪党、集結』のあらすじをご紹介しておきたい。基本的には前作とほぼほぼ変わらない内容である。
「政府に緊急招集されたのは、サメ人間・悪カワ・武器オタク・水玉の陰キャ・筋肉野郎……全員終身刑の愛すべきクソやばい悪党たち14人。たった10年の減刑と引き換えに、人類の脅威 “怪獣プロジェクト” に立ち向かう。成功率0%のデス・ミッションがいま幕を開ける!」
しつこいようだが、クソ映画として名高い「スーサイド・スクワッド」をジェームズ・ガンは立て直せるのか? 登場人物がほぼ悪役、さらにキャラが多すぎる問題など、そもそもまとめづらいスーサイド・スクワッド。で、映画を観た感想はというと……!
新スーサイド・スクワッド、最高や!!!!!!
ジェームズ・ガン、あんた天才や!!!!!!!!!
真面目な話、ちょっと衝撃を受けざるを得ないほど『ザ・スーサイド・スクワッド “極” 悪党、集結』は傑作であった。第1作がつまらなさすぎたため大げさに聞こえるかもしれないが、前作の5億倍くらい満足度は高い。
・開始10分の衝撃
ネタバレになってしまうため多くは語れないものの、多くの方はおそらく映画を鑑賞して10分で「とんでもない映画が始まった」と感じるハズ。破天荒で、いい意味の裏切りから物語は始まるから、まさに「掴みはOK」である。
さらに言えば本作はかなりグロい。実際にR15指定作品となっているが、R18指定でもおかしくないほど過激な描写が続く。あくまで推測に過ぎないが、ディズニー傘下のマーベル作品より「DCの方が好き勝手にやれる」ということなのだろうか?
・天才と呼ばれる理由
で、本編の核心「ジェームズ・ガンが天才とされる理由」についてお話したい。先述の通り本作はグロい描写が多々あり、また奇想天外なアクション映画でもある。……が、そんな映画ならいくらでもあるし、少なくともこんな衝撃は受けないハズだ。
私が「すごいな」と感じたのは2つのシーン。どちらもいわゆる「泣かせるシーン」なのだが、そのさり気なさやぶっ込み方、また伏線の回収の仕方が何ともナチュラルだった。「ほら、泣くところだよ?」なんて恩着せがましさはゼロなのに、自然とグッときた。
一言で表すならば新スーサイド・スクワッドは「滅茶苦茶な映画」である。本来であれば泣かせるシーンなどゼロでもいいのに、喜怒哀楽の感情をさり気なく押さえてくるキメの細やかさ。これこそがジェームズ・ガンが天才と呼ばれる所以だと感じた次第だ。
上述したことはあくまで私の所感に過ぎないが、それでもジェームズ・ガン監督が「天才」と呼ばれていることは事実である。その理由を『ザ・スーサイド・スクワッド “極” 悪党、集結』で感じて欲しい。
というわけで『ザ・スーサイド・スクワッド “極” 悪党、集結』はかなりヤバい作品だから、こっち系の映画が好きな方はぜひ劇場に足を運んでいただきたい。映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極” 悪党、集結』は8月13日公開だ。
参考リンク:ザ・スーサイド・スクワッド “極” 悪党、集結 、 Wikipedia
執筆:P.K.サンジュン
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