パチンコ禁煙化で意外と快適? – キャリコネニュース

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パチンコ禁煙化でユーザー増える?

昨年4月、受動喫煙対策を強化する改正健康増進法が施行となり、様々な施設で禁煙が徹底されることになった。パチンコホールもまた、この時期に全面禁煙を強いられ、個別に喫煙室を設けるなどの対策を行ってきた。

それから1年と少し経つが、今のパチンコホールは本当にヤニ臭さと無縁の、清浄な空間になっている。元々タバコの煙を外に逃がすための高額な空調設備には、どこのホールもしっかり投資していた。

禁煙化がなって以降、今度はコロナ禍が押し寄せたわけだが、元々備えていた空調設備がここで役に立つことになった。この辺りは九死に一生を得たというか、怪我の功名というか。

禁煙化で打撃を受ける側面はあっただろうが、コロナ対策を謳えるほどの空調を備えていたことが、逆境に耐えられるほどのアピールにも通じている。今日はこの完全禁煙以降のパチンコホールの変化について、非喫煙者の立場から話をしていきたい。(文:松本ミゾレ)

ヘビースモーカーには地獄かもしれないけど、元々吸わない人にとっては最高

先日、5ちゃんねるに「なんだかんだでパチ屋は禁煙で快適になったよな」というスレッドがたっていた。スレ主は非喫煙者なんだろう、本文で「よかった」と書き込んでいる。

実は、冒頭でこそ僕は非喫煙者だと書いていたし、実際そうなんだけど、当初はパチンコホールの禁煙化には結構否定的だった。だってあそこは鉄火場。ギャンブルに狂ったおじさんたちが、血眼になって勝負する空間だ。

その空間を演出する要素として、昔はパンチパーマで気が荒い店員がいたり、マイクで過剰に客を煽ったり、そして店の中全体をヤニ臭さや煙が覆っていた。そういう演出も込みで、パチンコってのが僕は好きだったのだ。

でも時代は進み、接客は良くなり、マイクパフォーマンスも規制されていった。そうなったら流石に、もう昔の鉄火場の雰囲気に拘るのも馬鹿馬鹿しいよね。いざ禁煙になったらなったで「あ、こっちのほうが全然いいや」って普通に思えちゃってるし。

また、喫煙者でパチンコをするという知り合いも周りには何人もいるが、そういう人たちも「いちいちタバコ吸うために離席するのは手間だけど、おかげで冷静になる瞬間が増えた」なんて言っていた。これも喫煙者にとってはメリットなのかもしれない。

まあ、大当たりした瞬間タバコに火を点けて一服するルーティーンが染みついている人にとっちゃ地獄だろうけど。

今後の新規ユーザー取り込みにもいい影響を与えそう

さて、前述のスレッドにも、パチンコホールが禁煙化したことによって生じた変化についての感想が寄せられている。

「ニコカスの俺は不便になったぞ。ただ分煙してなかったのは流石に時代錯誤すぎたな」
「おかげで禁煙できた」
「パチ屋行くたびに服がタバコ臭くならなくなったのは本当ありがたい」

このように、否定的な意見よりも、肯定する声というのが多い。これは作為的にそういう声ばかり抽出したわけではなく、ガチでそうなのだ。喫煙者も、そうでない人も、意外と「完全禁煙で良かったかもね」って言ってるのである。これは僕としては意外だった。

まあ実際、パチンコホールが禁煙になると聞いた瞬間には不安も多かったし、「パチンコしながらタバコ吸えないならもうやめるわ」みたいなことを言ってる人はいた。でも、後々のことを考えれば、禁煙化は正しい思う。

環境が変わるとユーザーが離れる場合もあるけど、タバコもパチンコも今は小汚いおっさんの趣味。そこを、とりあえずタバコだけでも切り捨てたことで、今後はタバコ嫌いの若い人や、パチンコには興味があるけどタバコ嫌いだったおっさんを呼び込む一助にはなるんじゃないかと思うのだ。

パチンコというレジャーが今後も長く存続するためには、やっぱりどこかでタバコとは縁を切らなきゃいけなかっただろうし。今の時代、汚ねぇ空間でわざわざ自分の肺を黒くしながら大金を落とそうと思う人もそういない。今後はパチンコ自体の訴求力も上がっていけばいいのだが……。