ほぼ城。
戦国時代、城を建てる時はなるべく地の利が活かせる場所が選ばれた。例えば伊達政宗の本拠地である青葉城は、周囲を川や竜の峡谷で囲まれた天然の要害だった。
一方、坂が多い長崎の町では、必要もないのに城並みに防御力高そうな家があちこちで見受けられる。
例えば、以下のようなやつだ。
※2006年4月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。
その防御力は、“城”のクオリティ
今は平和な日本だが、いつまた戦国の乱世に突入するかわからない。男児たるもの 「いかにこの城を攻め落とすか?」 ということは常に念頭に入れながら日常生活を送りたいものだ。
そこに出くわしたのが写真の家々。
1) 山の上に家を建てた
2) 土砂崩れしないようコンクリで固めた
という経緯で自然にこうなったものと思われるが、それにしても強そうなことこの上ない。まさに城レベルの防御力を誇る家々と言えよう。来るなら来い!
敵を寄せ付けぬ、高い城壁
ふもとに立ってみる。
そびえ立つ城壁。なにもここまで高くしなくてもよかったんじゃないかと思うほどそれは高く、その姿はどこまでも攻め手を拒絶するかのよう。デコボコしてるところがまた強そうな感じだ。
壁に空いてるのは吹き矢が飛んでくる穴だろうか。
源義経は一の谷の合戦で
「鹿も四足、馬も四足。
鹿が降りられるのなら、馬でも降りられる。」
と言って颯爽と断崖絶壁を駆け降りていったというが、そんな名言すら思い起こさせる普通の家。
という感じで
という感じで、今回は普通の家なのにやたらと防御力が高そうな家々を見て回りたいと思う。
え? これ以上防御力の高そうな家なんてあるのか?
と早くもそう思われるかたもいるかもしれない。
が、それがあるから不思議なものだ。
それとぼちぼちお気づきかもしれないが、今回文章は主にどうでもいいことを適当に述べているだけなので、読まずに写真だけ眺めるのも一つの方法です。
埋まるタイプ
先ほどのが岩壁の上に建てることで地形を利用するタイプなら、次に見るのは岩壁に埋まることで防御力を高めたタイプの家である。
「家です」と書かないと家に見えないかもしれないので書くが、これは家である。どこかのアトラクションではなく、長崎のごく普通の通り沿いにある。
この写真だけでは何が何だかわからないと思うので、
徐々に視線を上げていくと…
強固な入り口
どうだろう? この入り口。
「破城槌による攻撃に600回以上耐えられます。」
目指したのは、そういうレベルのセキュリティ。
おそらく“暴動”あるいは“一揆”など、そういうレベルのリスクを想定して作られているに違いない。
「オートロックくらいでセキュリティとは呼ばせない。」
そういう勢いすら感じる。
威圧するタイプ
次に見るのは、岩壁の上に建つのでも中に埋まるのでもなく、壁際にぴたりと張り付いて敵を威圧するタイプである。
まずは下の写真を見ていただきたい。
本来そこに山があるべき部分が、家になっているのがわかるだろうか?
近づいてよく見てみよう。
壮大なスケール
どこまでも、まさに山のように高くそびえ立つ姿。
比喩表現ではなく、実際に山と同等のサイズで家の塊りがそこにある。
近づいていくと、どこかから狙い打たれそうな感覚を覚える。
そういえば宇宙戦艦ヤマトに、こういう敵出てこなかっただろうか?
この家々を攻略するのは並大抵の戦術では歯が立たない。なによりも部隊の士気を維持するのが大変だ。
三国志でこんなエピソードがあった。咽喉の渇きで部隊の士気が下がっている状況を見て、曹操が
「あの向こうに梅の木がたくさんあるぞ。もうすぐだ。」
と言った。酸っぱい梅の味を連想させて唾液を誘発させ、咽喉の渇きを忘れさせたのである。
普通の家々を見ながら、そんなエピソードを思い出した。
辺りには桜が咲いていた。
坂の町が生み出す防御力
以上、3つのタイプの防御力の高い家々を見てきた。
長崎はその特殊な地理条件により、期せずして防御力が高まってしまうケースが多いように思う。
なにしろ地形が立体的だ。
では最後にもうひとつ、防御力の高い家々を見て終わりにしたい。城壁が高いタイプの家だ。
うむ。
この城壁は猿でも登れまい。
まさに天然の地形を利用した防御と言えよう。
仮にもし攻めるとするならば、この場合は周囲を取り囲んでの兵糧攻めがいいと思う。
あ、写真のキャプションはもちろん冗談ですので本気にしないでください。これを見て騙される外国人が現われますように。。